21:貴方のための ページ21
ー金木sideー
『実験台になってほしいんだ』
「じ、実験台？」
『そう。私がこれから学校生活を送るためにどうしても金木さんを実験台にする必要があるの』
僕があっけにとられていると、トーカちゃんが代わりに聞いてくれる。
「実験内容は？」
『………人間は、どれほど脆いのか』
僕は心臓が跳ね上がった。
Aが怖かった。
冷たい声が放たれた口は口角が上がっている。
これも僕の反応を楽しむため？
ゴクリと生唾を飲んだ。
『どうして金木さんを選んだかっていうとね』
わかってる。わかってるからこそAの口から聞きたくない。
だからAの声に被せるように、
「それは、僕が人間だったからでしょ」
『…うん』
Aは少し驚いた顔をした。
「そんなんそこらにうじゃうじゃいる人間ですりゃあいいじゃん」
トーカちゃんは興味なさそうに、面倒臭そうに言った。
Aはブンブンと首を振る。
『違うのお姉ちゃん。これは金木さんのためでもあってね』
「僕のため？」
『うん。金木さんってさ、男だし、喰種だし、隻眼なのに弱いじゃん？』
図星を突かれて言葉が出ない……
「っぷw」
横でトーカちゃんが吹き出す。
「ぅ、そ、その通りです……」
『あっ、ごめん！そんな。傷つけるつもりじゃなかったの…』
「うん、わかってるから大丈夫。そしてトーカちゃんは静かに笑わないで！？」
「いや、だってww」
トーカちゃんに呆れ顔をして、話を進める。
「それで？」
『だから、私が金木さんを使わせてもらう代わりに、私が金木さんを訓練してあげる！』
「…なるほど」
『ウタさんも言ってるけど、金木さんってすごく美味しそうな匂いがするから弱いと食べられちゃうよ？』
僕ってそんなに美味しそうなんだ。
「たしかにな。いいんじゃない？私は賛成」
たしかにそれなら僕にも利益がある。
どんなことをされるのかは後で聞くとして、とりあえず僕は頷いた。
『本当！？』
目をキラッキラに輝かせたAが抱きついてきた。
その勢いで僕は床に倒れこむ。
「痛っ！」
『ふふふ、これくらいで倒れるなんてwこれは鍛え甲斐がありそうですなぁ。
ねぇ、カネキチ』
「カネキチ？なにそれw」
『金木さんのあだ名ー。じゃ、これからよろしくね！』
「うん」
そういうとAは僕の上から立ち上がってルンルンで上に上がって行った。
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
