F#7 ツンデレちゃんはいつだって。

その2 ページ22

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「そういえば、最近成瀬ちゃんどうですか？」


思いきって電話越しの遥輝さんに聞いてみた。

それは、オールスターについて話しているときだった。

遥輝さんは俺の気持ちなんかは知らないから、きっとこんなことを聞いても怪しまれないはずだ。




「A？あぁ、なんか鎌ヶ谷行くって」




まじっすか？

俺も何日か休みもらえるわけだし、これは会えるチャンスやない？


それだけのことに胸が高鳴る。



... でも、それよりAって。
もう名前で呼ぶほどの仲なんか？



「Aって...、付き合ってんですか？」


「いやいや、付き合ってへんで。ただ俺が勝手に呼んでるだけ」



そう乾いた声で笑う遥輝さん。

良かった、と思わず呟きそうになったが、なんとかこらえる。
この気持ちは知られない方が良い。

なんとなくそう考えたからだ。



「じゃあ俺会ってきてもいいっすか？」



それなのに、
こんなことを言ってしまう俺はずるい奴なんだろうか。



「なんで俺に聞くん？俺は全然ええけど。てか、そんなんA次第やろ？」



遥輝さんはケラケラと笑いながら答える。




その理由は、
俺なんて、と思っているから？


それとも、


ただの強がりなん？




「慎吾？なんかあった？」

「.....いや、なんもないっす」



どちらにせよ、尊敬しているこの先輩に隠し事をしてることは決して気持ちの良いものではない。罪悪感がぐるぐると渦をつくる。



「あの、遥輝さん...、俺も、」

「ん？」

「.....なんでもないです。今の忘れてください」

「なんやそれ？」





.....けれど、






けれども、
まだ明かすべきではない、そう考えている俺がいた。
*







卓さん、噂によると選手会長になったみたいですね。
ユニフォーム買っておいて正解でした。

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