検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:82,325 hit

#18 ページ19

*




一つ一つの質問に真剣な眼差しで答える、高卒ルーキー堀選手をパシャパシャとカメラにおさめた私。

堀選手かわいいすぎ、
石川さんとは別の可愛さを持ってるよ。

なんて思ったりしながら。



いろいろとお腹いっぱい。
まだ一日は始まったばかりだけど、謎の満足感で満たされてしまった。



「ありがとうございました」と堀選手や関係者に声をかけてドアノブをひねった。




「わっ、」




ドアを開けた瞬間、前を通り過ぎようとしてた人とぶつかる。

身長が高いことから恐らく選手。




「すみません!」



そう言い、顔を上げると、



「石川さんっ!」



そう。そのぶつかった選手とは石川さんだった。






「大丈夫でしたか?」

「俺は大丈夫です。」


相変わらず柔らかい顔で笑う石川さん。
満たされていた気持ちが更に溢れようとする。



Aさんは大丈夫ですか?



そんな私は、石川さんのその一言で完全に思考回路が停止。


・・・Aさん?
え、待って?何で下の名前?



「え、あの・・・?何でA?」

「え?昨日そう呼べって、」
 

宮下さん、私はとんでもないことをしでかしたそうです。


「昨日って・・・。あの、私昨日の記憶あんまりなくて、」

「帰りに俺送ったんですよ。覚えてませんでしたか?」


やってしまった、なんという無礼を。
石川さんに送ってもらうだけでなく、名前を呼ばせるなんて...。


「すいません、全然名字でかまいませんから!」


頭を勢いよく下げる。
えっ、と石川さんの戸惑った声が聞こえた気がする。

少しだけ残念だけど、Aさん、と呼んでくれたことは一生覚えておこう。




「Aさん・・・って俺は呼びたいんですけど、駄目ですかね?」



あぁ、この人はいちいち私をドキドキさせる。
そんなことを言われて、ノーと言えるはずがなくて。


結局私は嬉しさと恥ずかしさで、下を向いたまま、


「いえ、全然いいです。」



としか言えなかった。




「良かった、ありがとうございます。」




石川さんは大きい掌を私の頭において、ポンポンと撫でた。



そして、じゃあ練習あるんで、石川さんはそう言って背をくるっと向け歩いていく。








石川さん、これは少しだけ。
ほんの少しだけ期待してもいいんですか?
*

#19→←#17



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 如月明日香さん» ありがとうございますー!如月さんのコメントはどれも嬉しいものばかりですよ(_ _)ちょくのことが好きになってくれたのなら嬉しいです(笑)最後まで読んでくださりありがとうございました! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雛*さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると凄く嬉しいです(^^;番外編の方もよろしくお願いします! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
如月明日香(プロフ) - 完結〜〜!おめでとうございます! このお話で私は石川選手が好きになり、なんと実際に石川選手のタオルも買ったんです〜〜! それくらい、引き込まれる作品で、石川選手の魅力が詰まったお話でしたっ! 本当にこのお話大好きです!! 本当におめでとうございます! (2017年12月5日 0時) (レス) id: eed9e6c20a (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - はぁ……完結お疲れ様でした(;;) 終始ニヤニヤしっぱなしでした……´`* 素敵なお話をありがとうございました〜〜!! 番外編も楽しみにしてます◎ (2017年12月5日 0時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - わ、わ、わ…! ほんとですか(;;) ふ、ファンだなんて恐れ多いです;;ありがとうございます´`* ちょくくんファンなので、ちょくくんの作品があるのが嬉しくて…!*゚ これからも楽しみにしてますね〜◎ (2017年12月1日 14時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2017年10月14日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。