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一つ一つの質問に真剣な眼差しで答える、高卒ルーキー堀選手をパシャパシャとカメラにおさめた私。
堀選手かわいいすぎ、
石川さんとは別の可愛さを持ってるよ。
なんて思ったりしながら。
いろいろとお腹いっぱい。
まだ一日は始まったばかりだけど、謎の満足感で満たされてしまった。
「ありがとうございました」と堀選手や関係者に声をかけてドアノブをひねった。
「わっ、」
ドアを開けた瞬間、前を通り過ぎようとしてた人とぶつかる。
身長が高いことから恐らく選手。
「すみません!」
そう言い、顔を上げると、
「石川さんっ!」
そう。そのぶつかった選手とは石川さんだった。
「大丈夫でしたか?」
「俺は大丈夫です。」
相変わらず柔らかい顔で笑う石川さん。
満たされていた気持ちが更に溢れようとする。
Aさんは大丈夫ですか?
そんな私は、石川さんのその一言で完全に思考回路が停止。
・・・Aさん?
え、待って?何で下の名前?
「え、あの・・・?何でA?」
「え?昨日そう呼べって、」
宮下さん、私はとんでもないことをしでかしたそうです。
「昨日って・・・。あの、私昨日の記憶あんまりなくて、」
「帰りに俺送ったんですよ。覚えてませんでしたか?」
やってしまった、なんという無礼を。
石川さんに送ってもらうだけでなく、名前を呼ばせるなんて...。
「すいません、全然名字でかまいませんから!」
頭を勢いよく下げる。
えっ、と石川さんの戸惑った声が聞こえた気がする。
少しだけ残念だけど、Aさん、と呼んでくれたことは一生覚えておこう。
「Aさん・・・って俺は呼びたいんですけど、駄目ですかね?」
あぁ、この人はいちいち私をドキドキさせる。
そんなことを言われて、ノーと言えるはずがなくて。
結局私は嬉しさと恥ずかしさで、下を向いたまま、
「いえ、全然いいです。」
としか言えなかった。
「良かった、ありがとうございます。」
石川さんは大きい掌を私の頭において、ポンポンと撫でた。
そして、じゃあ練習あるんで、石川さんはそう言って背をくるっと向け歩いていく。
石川さん、これは少しだけ。
ほんの少しだけ期待してもいいんですか?
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梓(プロフ) - 如月明日香さん» ありがとうございますー!如月さんのコメントはどれも嬉しいものばかりですよ(_ _)ちょくのことが好きになってくれたのなら嬉しいです(笑)最後まで読んでくださりありがとうございました! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 雛*さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると凄く嬉しいです(^^;番外編の方もよろしくお願いします! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
如月明日香(プロフ) - 完結〜〜!おめでとうございます! このお話で私は石川選手が好きになり、なんと実際に石川選手のタオルも買ったんです〜〜! それくらい、引き込まれる作品で、石川選手の魅力が詰まったお話でしたっ! 本当にこのお話大好きです!! 本当におめでとうございます! (2017年12月5日 0時) (レス) id: eed9e6c20a (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - はぁ……完結お疲れ様でした(;;) 終始ニヤニヤしっぱなしでした……´`* 素敵なお話をありがとうございました〜〜!! 番外編も楽しみにしてます◎ (2017年12月5日 0時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - わ、わ、わ…! ほんとですか(;;) ふ、ファンだなんて恐れ多いです;;ありがとうございます´`* ちょくくんファンなので、ちょくくんの作品があるのが嬉しくて…!*゚ これからも楽しみにしてますね〜◎ (2017年12月1日 14時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 | 作成日時:2017年10月14日 17時