検索窓
今日:14 hit、昨日:13 hit、合計:368,936 hit

22 ページ25

「殺され、かけた…?」

「その場に居合わせていた人に聞くところ、君は爪で引っかかれた。けれど、君が反射的に少しでも距離をとったからか、助かった」

「……そうだとしても、私は彼に会いたいです。本当かどうか、ちゃんと確かめたい…」

「だそうだ。芥川君、いいね?」

「はい」




一通り話終えると、エリスがAの方に走り腕を掴む。




「お絵描きの続きよ!A!」

「A君、しばらくしたら迎えに行くからね」




Aは分かりましたって答え、エリスと共に部屋に戻っていった。芥川は咳をしたあと、森に聞く。




「人虎は殺すべきですか」

「戦うのは構わないけれど、殺すのはダメだ。とりあえず、A君をこちら側(マフィア)に引きずり込む」

「御意」




森は椅子に腰掛け、満足そうに微笑む。




「いい拾い物をしたね」

「首領」




扉が開き、初老の男が入ってくる。黒いコートにショールを巻き、片眼鏡をかけている。名を、広津柳浪。武闘派組織、黒蜥蜴の百人長である。




「広津さん…何かな?」

「部下に倉庫街を監視させていまして…。人虎が現れたとのことです。身を隠していましたが、既に気づかれております。そして、芥川君を出せとのことです」

「やれやれ。時間も守れないとは、困った虎君だ。芥川君、どうする?時間まで待たせるかい?」

「否、今すぐに行きます」

「そうかい。A君!」




森が大きめの声でAを呼ぶと、Aはエリスにごめんねと謝りながら出てきた。




「すまないね。思ったより相手が早く来てしまった。芥川君は今から行くが…大丈夫かい?」

「は、はい!」

「よし、芥川君。彼女を守ってくれ。頼んだよ」




二人はそのまま部屋を出ていく。そして、広津がふと尋ねる。




「先程の話は、全て事実なのですか?」

「まさか。命を落としかけたことは本当だけれど、本当に人虎君が殺そうとしたのかは知らない。これも、彼女をこちら側に引き込むためだ」

「では、懸賞金をかけた組合(ギルド)には、彼女を?」

「いいや、流石にバレてしまうからね。ただ、人質はいても、困らない。それも、記憶が無いなら、尚更さ」




森はくすくすと笑う。広津は何も言わず、ただ立っていた。











お気に入り700人突破!感謝しますm(*_ _)m

イラスト→←21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (391 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
745人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

arena(プロフ) - あかりさん» 無言参加失礼しました…。読んでいただいて光栄です!ありがとうございます! (2018年1月29日 7時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます! すごい面白いです これからも頑張って下さい! (2018年1月29日 2時) (レス) id: 59dc504c48 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ちゅうや大好きさん» ありがとうございます! (2018年1月28日 13時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅうや大好き - すごく面白いです (2018年1月28日 12時) (レス) id: 2184bb70c3 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます。自分の作品の内容を忘れてしまう馬鹿ですが頑張ります!笑 (2018年1月22日 0時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:arena | 作成日時:2018年1月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。