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「鴎外殿は馬鹿じゃのう。焦らずとも、すぐ私のことを話せばよいじゃろう。それに、医者とは
「紅葉君…。ま、まあ、そいうことだよ。特に酷い部分は私が見て、他は、彼女にやってもらったんだよ」
紅葉と呼ばれた女は、にっこりと微笑んでAの頭に手を置く。その姿は、まるで親子のようだ。
「目が覚めてよかったのう。私は尾崎紅葉、よろしゅうな」
「わ、私は……。すみません、記憶がなくて、自分のことは全く話せないんです…」
尾崎は少し驚いたが、ゆっくり思い出していけばよいのじゃと、優しく声をかけた。
「ところで、鴎外殿。私の部屋の隣を開けてくれと言ったのは、この子のためかえ？」
「そうだよ。ここでは窮屈だろうし、私みたいな中年の男じゃ、話が続かないだろうからね。君、立てるかい？」
Aは体を起こそうとした。が、昨夜よりも痛みが酷く、起き上がれない。森が手助けすると、何とか起き上がれた。
「これじゃあ、歩くことは難しそうだね…。中也君を呼ぶよ」
森は携帯を出して電話をかける。すると、すぐ男が現れた。Aは彼を見るなり、小さく悲鳴をあげて森にしがみつく。
「？どうしたのじゃ？」
「き、昨日っ、この人に、殺されかけてっ…！」
「手前は…！何でここに…」
「中也君、彼女は大怪我をしていてね。昨日、保護したのだよ。部屋は紅葉君の隣だ。運んでもらえるかい？」
「…わかりました」
中也がAに手を伸ばすと、Aはその手をふりはらう。
「いやっ！触らないで！！」
「大丈夫。彼は君に何もしない。紅葉君がそばにいるから、安心したまえ」
「っ…」
「ほら、早くしろ」
しぶしぶ中也の手につかまる。ふわりと持ち上げられ、横抱きにされる。思ったりより丁寧に扱われたので、Aは内心驚いた。
「では、失礼します」
「紅葉君、少し待ってくれるかな。中也君は扉の前で待っていてくれ」
「はい」
Aと中也がいなくなると、森は表情を変える。
「鴎外殿…。資料で見た、人虎とならに、あの子は似すぎておる。本人かえ？」
「いいや、違う。確かに疑ったけれど、彼女は女の子だよ。……調べれば名前くらいは出てくる」
「了解した。ところで…。利用する気かえ？」
「場合によっては、ね…」
尾崎は目を閉じ、そのまま部屋を出ていく。森は笑うことなく、ただ、何かを考えていた。
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arena(プロフ) - あかりさん» 無言参加失礼しました…。読んでいただいて光栄です！ありがとうございます！ (2018年1月29日 7時) (
レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！ すごい面白いです これからも頑張って下さい！ (2018年1月29日 2時) (レス) id: 59dc504c48 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ちゅうや大好きさん» ありがとうございます！ (2018年1月28日 13時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅうや大好き - すごく面白いです (2018年1月28日 12時) (レス) id: 2184bb70c3 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます。自分の作品の内容を忘れてしまう馬鹿ですが頑張ります！笑 (2018年1月22日 0時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：arena | 作成日時：2018年1月11日 21時
