episode55 ページ10
それから、サンドウィッチを頼み、頼んだ物が全部届いたのを確認して、太宰さんと小声で話し込む。
『んで、なんで太宰さんが同伴するんですか?
もしかして、自分の管理もできない愚か者だからとか…。』
「いや、そういう訳じゃないから安心し給え。
…Aにはやって欲しいことがある。」
『潜入する時、ですか?』
「嗚呼。」
その時、太宰さんの目が変わった。
いつもみたいなほわほわした目ではなく、かといってたまにある怖い目でもなく、真剣な目をしていた。
「私を、隠して潜入をして欲しい。
もしくは私を別の人間として扱われるようにして貰いたい。」
『…?
でも、太宰さんの異能力って、無効化ですよね。
…あ。そういうことか。』
と、私は話している途中で自己解決をする。
太宰さんに異能力を掛けるんじゃなくて、太宰さん以外に異能力を掛ければいいのか。
「そう、そゆことっ。」
太宰さんはニコッとノリッと言葉を弾ませそう言った。
『…んで、私が異能力使用後に見る地獄を太宰さんによって解消してもらう、と。』
「そうそう。」
『さらにいえば、太宰さんなら私の人疲れもないから丁度いい、都合がいい人ってことですね。』
「一言余計だよ、A。」
『すみません。あ、これ、このこれ、えっとあの…』
と、メニューの写真を見て指を指す。
ケーキの詳しい名前が出てこなかった。
業務上、政治系の話題には強いけれど俗に言う、若者文化とか可愛いとかカタカナに疎いっていう難点がこういう時、惜しみなく発揮されてしまう。
「ガトーショコラ、ですか?」
そう、安室さんが教えてくれた。
『あ、それです!
太宰さん、可愛い後輩のために…。
ってあれ?梓さんは?』
「もう帰ってますよ。」
『え、いつの間に…。』
「Aさんたちが来た時、丁度梓さん、帰るところだったんです。」
『なるほど。
それで太宰さん…。』
と私は頼み込む。
太宰さんは渋々ガトーショコラを頼んでくれた。
わーいわーい、と多少棒読みではあるが珍しく声に出して喜んだ。
『それでいつから潜入するんですか?』
「明日。」
『へー…明日…明日!?』
私はテーブルと椅子をガタン、と音を鳴らして思わず立ち上がった。
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます!!ウアアアアアア気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…!これからも頑張ります! (2021年10月24日 7時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました!これからも応援しています! (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます!!(´;ω;`) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…!! (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます!bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:from bathroom | 作者ホームページ:http://なし
作成日時:2020年6月14日 18時