episode51 ページ5
「え?」
案の定敦くんは驚いていた。
私はさっき考えたことを簡単に説明した。
「でも、どうやってその犯人を見つけるの…?」
『異能力。』
「異能力…あ!」
『そう、私の能力。
こんくらいにしか使えないからさ。せめて活躍しようかなって。』
ということで、私と敦くんはひたすらに依頼をこなしていった。
おばあちゃんの観光案内から、猫探し、とかとか。
んで、今日受けたぶんの依頼をあと一つ、というとこまで片付けた。
依頼主の前では異能力を使いっぱなしにしていた。
そんなこともあってか、最後の依頼、あの腐った食べ物を集めてこいという家に向かう途中でおぞましい程の吐き気に襲われたけれど。
『…ごめん、ちょっと休まない?』
「いいけれど…ここら辺、休むところあるかな…。」
『ん…ベンチでいいよ。』
と言うと、敦くんは「ベンチ…ベンチ…」と辺りを見渡してくれた。
その時、酷い吐き気に立っていられなくなってしまった。
「A!?」
『…大丈…ぶ…。たぶん…』
無理やり体を立たせて、「ごめん、やっぱり行こう」と歩き出した。
こんなんでへばってる場合じゃない、そう自分を奮い立たせた。
どうせ最後だし、そもそも最後に回したのは、色んな依頼場所に向かう途中で腐ったものを集めるためだし。
渡すだけ。
歩いて、歩いて、不思議な家にたどり着く。
「ごめん下さい」と弱りきった私の代わりに敦くんが家の扉を叩いてくれた。
中から私が会った人とは違う人が出てきて「あれ?この前の子じゃないんですね。」と驚いていた。
『あ、すみません。』
敦くんの後ろから社交モードオンの私が顔を出す。
「あ、良かった。
あの子、ずっとあなたのこと待ってたんですよ。」
と、恐らく使用人の人が嬉しそうにそう言った。
『そうなんですね。』
私はニコッと、返事をした。
1回しか会ってないのに、待たれている事実に少し違和感を覚えた。
でも、それよりも犯人特定が私の中で優先されていたから直ぐにその違和感は気にならなくなった。
『じゃあ、行ってくるね。』
ニコッと、敦くん笑いかける。
そして、体を玄関に向ける。
「待って。」
後ろから敦くんがそう、声を出していた。
私は赤い目で少し振り返る。
「A、今日はもう…。」
敦くんがその言葉を声に出したのかは分からない。
『いいよ。ここだけなんだから。』
「じゃ。待っててね。」
そう、家の中に入った。
謝罪→←episode50 無事、戻りましたこれからもよろしくお願いします
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます!!ウアアアアアア気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…!これからも頑張ります! (2021年10月24日 7時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました!これからも応援しています! (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます!!(´;ω;`) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…!! (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます!bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:from bathroom | 作者ホームページ:http://なし
作成日時:2020年6月14日 18時