標的40 見つけた! ページ45
M.Msaid
今日は疲れていたこともあってゴロツキにうっかり捕まってしまった。はーめんどくさい。攻撃を交わしつつ武器を出した時、
「おや1人の女性に寄ってたかって大人が…恥ずかしくないんですか?」
「ああ?!こいつはそんな弱いアマじゃねえっグボアッ」
「うっさいわねー!」
後ろから知らない男に声をかけられたけどそれに反応する前にワンパンで倒してしまった。こんな状況に口出す人っていたんだ?
「あー、わざわざありがとね。でももう関わらない方がいいわよこいつらマフィアだし」
「ふむ…それではあなたもマフィアなのですか?」
「やめてくれる?あんな忌々しい連中と一緒にすんのは。私は私で活動してんの。」
「そうですか。それは失礼しました」
暗闇でよく見えないけど、結構整った顔してるわね。
「ですが、あなたも気をつけてくださいね」
ふっと消えたかと思えば、いつの間にか私の目の前にいて、顔に手が添えられる。咄嗟に武器に手を伸ばしたけど、間に合わなかった。
「綺麗な顔に、傷はつけるものではありませんよ」
先程男らにつけられた刀傷の血が拭われる。それにしてもめちゃくちゃ綺麗に整った顔の男が目の前にいる。しかも吐息が聞こえるほど近い。
バクバクと心拍数が上がる。
思わず放心していると霧のように男は消えていった。
へたりと地面に力なく座り込む。
あんなイケメン早々出会えないわよ…!
次の日、街を血眼になって探し回る。どうにかして近づきたい!
すると郊外の公園のベンチに座る彼が見えた。
「あ!やっと見つけた」
「ん?おや、昨日の…」
「ずっとお礼がしたかったの。あんなふうに助けに入ってくれるのって今までなかったし。あんた、名前は?」
「結局何も出来ませんでしたけど…僕は六道骸です」
「骸ちゃんね、あたしはミーラ・ミスティ。ミーラって呼んで。早速だけどこれからお茶しに行かない?」
「……ええ、いいですよ。ですが少し待って貰えますか、一応仕事してるので」
骸ちゃんが席をたつと、向こうからやってきたスキンヘッドのオジサンに何やら小さな袋を渡し、お金受け取るとすぐに別れた。
ああ、なるほど骸ちゃんも私と同じコッチ側ってことね。
「おまたせしました。ではいきますか」
同じ世界の住人と分かれば、尚更この男に近づきたくなる。この世界はキライだけど、仄暗さをもつ男にはどうしても惹かれちゃうのよね。
できる限り距離を縮めて隣を歩く。
良物件をみすみす逃すM.Mじゃないわよ。
76人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
南条(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 感想ありがとうございます!とても励みになります…! (2018年4月10日 7時) (レス) id: 05ac4354b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - とても面白いです!自分のペースで更新頑張ってください! (2018年4月7日 4時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:南条 | 作成日時:2013年8月30日 0時