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その言葉と行動に、あるものは目を丸くし、そしてまたあるものは頭に?を浮かべていた
「…本当にいいのだな?」
「えぇ。もうあの国に未練はありません。一度捨てようとした人生です。あなた方に捧げましょう」
するとオスマンが声を荒げてグリムに言った
「グリム!あほちゃうか!?その契約は…」
そう。先ほどの言葉は契約の言葉
しかも、もう取り消しができない契約である
「とか言って、マンちゃんもしてるんでしょう?」
グリムの言葉に、我々国の幹部たちは目を丸くする
「なんで分かって…」
コネシマの呟きに、グリムは愉快そうに笑い、そして口を開く
「だって、視えるんですもの。私の能力は…」
「グリム。それ言ったら俺たち怒るよ」
しんぺい神がグリムの腕をつかみ、威圧感の感じられる声で言った
「…そうだったね。ついつい話しちゃうところだった」
グリムはぺこりと頭を下げ、謝罪をする
「すみません。先ほどのことはなかったことにしてください」
その言葉に、ほかの人たちはふわりと笑った
そして、トントンは口を開いて、優しげな声で言った
「おん。別にええで」
そんな優しい言葉に、グリムの心は温かくなった
「いつか、機会があったら話しましょう。いいよね?」
グリムは二人に問いかける
「はぁ。しゃあないなぁ」
なんだかんだ言って、二人も優しいのだ
その答えに、グリムは満足そうに笑って、「ありがとう」と言った
「さて。グリムはここで何をしてもらおうか…」
グルッペンは顎に手を当て、首をひねる
兄さんが手を挙げ、意見を言った
「とりあえず、トントンのところに行ってもらって、仕事の基本を身に着けるってのはどうや?」
兄さんの提案にほかのものは賛成した
そのあとに、エーミールが新たに付け足した
「その後に他の人の所に行ってもらい、最終的何がやりたいか決めてもらうのはどうでしょか?」
「おぉ!さすがエーミールやな。伊達に教授やってないわ」
コネシマがエーミールをほめる
なぜだかコネシマが言うとペラペラな気もするが…
「どうだ?グリム。これでいいだろうか?」
グルッペンはグリムの青の瞳を見つめて、聞いた
「はい。よろしくお願いいたします。皆さま」
ぺこりと頭を下げ、グリムはうれしそうに笑った
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