期待の新人…？ ページ24
「なぁ、嫌な予感がするのは俺だけか？」
ゾムがそう言ってわざとらしく身を震わせる
しかし、それとは対照的にゾムの口角は吊り上がっていた
「大丈夫。それは俺も思ってるから」
ひとらんらんは気だるそうに、どこか諦めたように呟く
その言葉にトントンも頷く
「連れてきたで！」
なんだかんだ言っている内に、コネシマが戻ってきた
その隣には無気力そうな青年が立っていた
全体的に細身で、なぜか室内なのにヘルメットを被っている
「どうも、ショッピっす」
「俺の後輩やで！ショッピ君は有能やから！俺が保証する」
コネシマはそう言ってニカッと笑った
対するショッピ君はそれを冷めた視線で見つめる
(凸凹コンビだなぁ)
その雰囲気を見てグリムは思った
「あんたに保証されても…」
そういうショッピ君はどこか照れくさそうだ
…いや、やはりそんなことは無かった
「言うなぁ」
シャオロンが若干引き気味に言った
自分もよく煽るが、さすがに先輩にはできないという意味も込められている
グリムはショッピ君をじぃっと見る
(うーん。可愛いなぁ)
「グリム、にやけとるで」
兄さんがグリムの顔を見てツッコむ
「仕方ないです。可愛いので」
グリムがそういうと、コネシマが驚いた顔をする
目を見開き、口を開いた
「おまっ…さっきの言葉聞いたやろ！？どこに可愛い要素あるねん！」
「全部ですよ」
「…アザッス」
即答したグリムに、コネシマはぐっと黙ってしまう
ショッピ君は今度こそ照れくさそうに頬をかく
「可愛すぎっ！」
なぜかグリムは強い口調で言う
そしてショッピ君に近付き、手を取る
「よろしくお願いします！私は夜桜 グリムと申します。分からない事は聞いてください！」
「…グリムさん、引かれてしまいますよ？」
あまりの勢いにエーミールが苦笑する
その言葉にはっとして、グリムは頬を染める
「あ、えと、すみません…」
さっきまでの勢いはどこへやら、グリムはしゅんとしてその場から立ち去ろうとする
しかし、その腕をショッピ君が掴んだ
「大丈夫ですけど。てか、俺アンタに一目惚れしましたから」
悪戯そうに笑って、ショッピ君はグリムを引き寄せる
グリムは恥ずかしそうに目を逸らす
「目を逸らさんといてください」
「グリムを離してほしいんやけどなぁ」
オスマンが威圧感を出しながら言った
二コリとしているが、顔は笑っていなかった
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