総統との仕事 ページ18
「グリムー許してくれたってえぇやないかー」
「駄目です。トントン様が疲労なのは総統殿も重々承知のはず。お仕事に取り組んでくださいませ」
暑い夏の日、グリムとグルッペンはクーラーのきいた部屋で書類整理をしていた
書類のタワーはあり得ないほどの高さになっていたが、これはグルッペンが今まで溜めていたものだ
全てトントンに横流し状態だった物を、グリムが発見して今グルッペンにやらせている
グリムも手伝ってはいるが、引き受けた量は四分の一だ
グダグダとやっているグルッペンよりかは明らかに早く、もうすぐ終わりそうだ
「なんで七夕の次の週にこんな…織姫と彦星の話を思い出して感傷に浸っていたというのに」
グルッペンはそう言って目をウルウルとさせる
一応成人男性だ。グリムの目には小学生ぐらいに見えたがバリトンボイスのせいで一気に現実に
引き戻される
「いや、スイーツのカタログを見ていましたよね」
グリムが突っ込むとグルッペンの顔からサーッと血の気が引いていく
「いやー。ソンナコトナイッスヨ」
目をきょろきょろとさせるグルッペンはわざとらしすぎた
グリムはため息をつく
「はぁ。仕方ないですね。カタログに載っていたプリンを買ってきたんですが…
興味がないのなら私が食べてしまいましょう」
「あー!見てましたすみませんでした、プリン食べたい!」
グルッペンは目をキラキラと光らせて、書類を今までとは比べ物にならないスピードで片づけていく
グリムはその速さに目を見張ったのと同時に、グルッペンがつれたのがツボにはまったらしく、
腹を抱えて笑っている
「フフッ…こんなちょろいのってあります?あはははッ!」
グルッペンはそれに対して「ひどいゾ」と不満を漏らしたが、顔は笑っていた
それはとても嬉しそうで、あまり似合わないような表情だった
「半分終わったからプリンが食べたいゾ!」
「はいはい。今持ってきますね」
グリムはプリンを食堂から持ってきて、紅茶を淹れる
グルッペンは子供の様にはしゃいで、プリンを食べ始める
「プリンおいしいなり」
グリムはそれを見て嬉しそうに笑った
グルッペンは身を乗り出して、グリムに近づく
「もっと甘いものが食べたいんだが」
「それは私の耳に囁く事と関係がありますか?」
「つれないなぁ」
グルッペンはグリムの反応に詰まらなさそうな反応をする
対するグリムは表情こそ変わっていなかったが、心臓ははち切れそうなくらいうるさかった
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