プロローグ ページ1
うちの手は血塗れだ。どういう意味って、そのままの意味。刀を持ってる手が血で真っ赤、刀身も真っ赤。何でって、簡単だ。生きるため。
親なんて知らない。気付いたらここにいたし、周りの人達はうちと少し見た目が違う。周りの人はだいたい黄色の髪だったり、青い目だったり、キラキラした色をしてる。でもうちは、真っ黒な髪に真っ黒な目だ。うちは何かおかしいのかな?
今日も生きるために人を斬った。斬った人からお金を盗って食べ物を買う。うちみたいな小汚いガキにものを売りたくないみたいだけど、お金があればどうにでもなるんだ。
路地裏にひっそりと隠れてパンを食べていると、目の前に大きな人影が見えた。傍らに置いておいた刀に手をかけ警戒していると、その大きな人は顔が見えない代わりに大袈裟なアクションを起こした。両手を頬に当てて、オーマイゴット!と叫んでいる。
「お前もしかしてジャパニーズ!?ジャパンは平和の国なんじゃねぇの?んな物騒なもん持つ歳じゃねぇだろ!」
ジャパニーズ?ジャパン?なんの話しだろう。うちの見た目が違うのと関係あるのか?
「おいガキ、お前親は?どう見てもジャパニーズだし、わざわざ海外にまで来てガキ捨てたのか?マジかよ」
1人でどんどん話を進めていく目の前の男に困惑する。親なんて知らないし、捨てられたであろうことは理解している。
「ふーん、なかなか冷静なガキだな。頭もいいと見た。それに...血の匂い、ここ数日でつく匂いじゃぁねぇな。お前、どんくらい前から手にかけてる?」
「...さぁ?覚えてない。1年とか?」
「...」
ジロジロと何も言わず見てくる、品定めするような視線が気持ち悪い。居心地悪くもぞもぞと体を動かしていると、目の前の男が「よし!」と言ってうちの体を荷物のように抱えた。
「俺ちゃんが世話する!」
「...は?」
「俺ちゃんジャパニーズ興味あるのよ!!栄養足りてないせいでガリガリだけどお前女だろ?どんなふうに成長するのか気になる!!」
なんと馬鹿らしい理由だろうか。でも、どうぜこのままだと野垂れ死んで終わりだ。それなら...
「いいよ。死ぬのを待つより、楽しそうだ」
「殺 しのテクとかも教えてやるよ!俺ちゃんその道のプロだから!」
「へぇ...期待しとく」
こうして、全身スーツの怪しい男デッドプールと、捨てられジャパニーズの私、Aの生活が始まった。
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ヒナ - 更新停止してるの知って悲しい…(´;ω;`)めちゃくちゃ好きです!! (2022年11月3日 23時) (レス) @page5 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
茄子猫 - なんなんこれ…等とみが深い。更新待ってます (2020年7月25日 1時) (レス) id: 7d10cbdb72 (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - 飛鳥さん» ありがとうございます〜!コメント嬉しいです!更新頑張りますね!! (2019年5月31日 0時) (レス) id: ff50095a58 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - デップー大好きなのでこの小説とても嬉しいです!作者様の無理のない程度で更新頑張ってください! (2019年5月25日 21時) (レス) id: e991a9fa95 (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - 不登校の自殺志願者さん» こちらの作品でも!?ありがとうございます!!デップー性格難しくて上手く表現できてるか不安だったので嬉しいです!コメントありがとうございます!!頑張ります!! (2019年5月18日 14時) (レス) id: ff50095a58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rio | 作成日時:2019年5月1日 21時