16歳の訳あり少年、お気に入りの非日常

非日常 4(後編) ページ9

もっとデップーのこと疑っておけばよかったと後悔した。

隣では満足そうにケラケラ笑いながらスパイディを見ているデップーと、色んなものに「スゴ〜い」と言いながらヘラヘラしてるスパイディ。
どうやら俺とスパイディはデップーにお酒を飲まされたらしい


「ティーンの俺はお酒を飲んじゃダメなんじゃないの？」

「？俺ちゃんがそんなこと気にすると思う？」

「思わないけど」

「見て見て浮いてる〜スゴ〜い」


ついに飛行機にまでスゴいスゴいと言い出したスパイディ。待ってスパイディお酒弱過ぎない？俺全然平気なんだけど。


「デップー、いちごの方が度数高いとかあんの？」

「いや、同じ酒だから度数は変わらない」

「スパイディが弱いだけか」


あんなにかっこよくて頼れる強いスパイディが実はお酒弱いというギャップ...男の俺でも可愛いと思ってしまう。


「いや〜あのスパイディがもっかい見たかったんだ！もう俺ちゃんがあげた飲み物飲んでくれないかと思ったけどやっぱりどこか抜けてるなスパイディ！！」

「おい前科ありかよ」


スパイディはもうちょい疑いましょうよ相手デップーですよ？俺も飲んじゃったから人のこと言えないけど。小さく溜息をつきながらデップーが持ってきたお菓子を食べる。
これは...ただのチョコ？でもこれもなんか変な味するような...まさか...


「デップー、このチョコは？」

「ウィスキーボンボン」

「酒づくしかよ」

「だってスパイディもしかしたら飲んでくれないかもと思ったから」

「用意周到すぎて引くわ」


まぁこの程度じゃ酔わないし味も嫌いじゃないから食うけど。目の前でまるで幼児退行したかのように幼い言動を繰り返すスパイディを見ながら黙々とチョコを食べ続けた。


酔いが覚めたスパイディにデップーが八つ裂きにされたのはまぁ割愛して、お酒が入ってると知りながらチョコを食べ続けた俺もスパイディに怒られた。
...デップー許さない

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