16歳の訳あり少年、お気に入りの非日常

非日常　13 ページ23

チミチャンガを大量に食べて、パトロールの時間まであと2時間と言ったところだろうか。さて、どこに行こう。


「ウェイド、どこか行きたいところとかある？」

「エルドと一緒ならどこでもいいぜ？どこでも俺ちゃん楽しめちゃう！」

「…もうちょいリクエストしてもいいんだぞ。ってか、決めてくれた方が楽だし」


俺はもともと、友達が行きたいと言ったところについて行くタイプだったから自分で決めるのが苦手だ。あまりいい事ではないんだろうけどな…


「俺ちゃんはそういうとこも大好き」

「今日だけで何回心読んでんだよ」

「だーから吹き出しだって」

「…相変わらずよくわからんことを…」


吹き出し？ってのはよくわかんないけど、結局考えてること見えてるんだから心読んでるだろ。別にいいけどさ…


「で、どこ行く？」

「…俺ちゃん行きたいとこできた！行こうぜエルド！」

「は！？おいウェイド！？」


いきなり俺の腕を掴んで走り出したウェイド。なんか…こういう行動は子供っぽくてなんか可愛いというか…保護者の気持ちになるというか…。…まぁ、嫌ではないな。
俺は薄く笑みを浮かべ、腕を引かれるままに走った。

15分ほど走っただろうか。俺もウェイドも体力には自信があるため一切息が切れていない。マラソンとかでは有利になりそう…って、今はそんなことどうでもいいか。それより…


「この店、なに」

「ヒーローグッズ専門店的な？」

「あー、人形とか…お手頃価格だとファイルとか？」

「そーゆーの」


へぇ〜、そう言う店ってあるんだな。そりゃ、アベンジャーズとかあるんだし人気なヒーローがグッズ化されててもおかしくないか。


「で？ウェイドは欲しいヒーローのグッズとかあるのか？」

「ん？俺ちゃんが買うのはスパイディとスターボーイのグッズだけだぜ？」

「…ん…ん？え？スパイディはともかく俺の…モンスターボーイのグッズあるの？」


まだ活動初めて2，3か月だろ？ファンとかついてるなら嬉しいけど…そりゃ…


「あるに決まってるでじゃん！！？スターボーイ結構人気あるぜ！？」

「そ、そうなんだ…」

「スパイディと仲良く話してるところとか結構目撃されてて、その和やかな空気に一気にハマったってファンもいれば、敵との戦闘を見てて憧れたってやつもいる」

「…」


顔が熱い。そうか…いつの間にかファンできてたのか…


「とりあえず入らねぇ？スパイディのグッズ買ってやるよ！」

「…自分の金で買う」

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