Episode134 ページ35
気遣わし気にルリアがサンダルフォンを見る。
「気にするな。団長は間違っていない。また倒せばいい…いつまでも何度でも」
そう短く答えると、オイゲンの抱えていたAを受け取る。その顔は、ただ眠っているかのように穏やかだった。その様子を見たベリアルは、真剣な表情でAを見つめる。
「天司長の力をキミに安定させるために、Aは羽をすべて失って死んだのか」
「だったら…なんだ!?」
サンダルフォンは燃えるような目つきでベリアルを睨み付ける。しかし、ベリアルは笑うわけでもなく、馬鹿にするわけでもなく微笑む。
「…彼女は少し特殊な生い立ちでね。蒼の少女、キミならAを救えるかもしれない」
「私…ですか?」
「キミの力でサンディの羽の中にあるAのコアをAに移植するんだ。そして、Aのコアの中にはルシフェルの首がある筈だ。彼の力を使えばAは目を覚ますかもしれない」
「…ルシフェル様の…首を」
「あとは、ちょっとしたおまじないさ」
「おまじない…?」
すると、ベリアルはルシアに向かって黒色の羽を渡す。
「それは虚無に汚染された羽だ。だが、Aには有効だろう」
「…どうして、虚無を?」
「さぁ、それ以上は秘密だ。フフ…では良い“週末”を」
「行こう、みんな!」
その言葉を聞いた一行は、ベリアルに背を向け、艇へと続く通路を走る。その後姿を見届けると、ベリアルはルシファーの元へと歩み寄る。
「さてオレ達も急ごうか。次元の狭間はさすがに厄介だ」
「フン…」
ルシファーはベリアルから差し出された手を無視し、そっぽむく。
「拗ねてるのかい?確かに計画は残念だったが…また立て直せばいいだろう」
「残念…?お前は微塵も思っていない…」
「本当さ。まぁ残念だけど一興でもある」
「お前も矛盾か…」
うんざりとしたようにルシファーはつぶやく。
「愛は矛盾するモノだぜ?」
ベリアルがルシファーへともう一度手を伸ばそうとした時、突如強い力でルシファーは引っ張られる。
「ウッ…!?」
「ファーさん!?マズイぜ、次元の狭間が活発に…オレの肩に掴まって――」
「オォォォ…――!」
ベリアルの腕をとる前にルシファーは次元の狭間へと消えていく。
「…!預言者の仕業か!はぁ〜あ…いよいよ本当に困った上司だ。ま〜たオレが体を張るのかよ」
そういうと、ベリアルの身体も徐々に強い力へと引っ張られていくのだった。
「フ、フフフ、ウフフフフ…――」
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ミレン(プロフ) - かなとさん» すみません、確認不足でした。ご指摘ありがとうございます! (2019年3月13日 21時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月13日 20時) (レス) id: 9e9dee48da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月13日 19時