Episode60 ページ23
翌日、慰労会の行われるグランサイファーは大騒ぎとなっていた。各国の騎士団代表や王族の集まり、船を停泊させた街で大きな催しが開催される。
「う…うるせ…」
「も〜…そんなこと言わないの。せっかく集まったんだもの」
「なんで人間はこんなに元気かなぁ…」
朝、眠っていたAを起こしたのはガブリエルだった。四大天司をはじめとした天司が久しぶりに集まるということでベッドで寝込んでいるAを起こしに来た。
「なんで起こすのに水をかけられなきゃいけないんだよ…」
「あら、すぐに蒸発するからいいじゃない」
「一瞬死ぬかと思ったよ…」
「同じセリフ、サンダルフォンも言ってたことあるわよ」
「どうでもいいけど…どうしてサンダルフォンはいないんだよ」
「男は男で、女は女で、よ」
「…」
「あら、寂しいの？」
「いや…なんで天司に性別なんかあるんだろうって」
「便宜上、てところかしらね。そんな難しいこと考えずに、早くミカちゃん達と合流しましょ？」
ガブリエルに腕をひかれ、人ごみの中へと連れていかれる。ミカエル達の待っていたのはカフェだった。
「カフェなら僕達のでもいいだろうに…」
「そういうでない。たまにはゆっくりとするのも悪くなかろう？」
「はぁ…逆に落ち着かないなぁ」
「ねー、A？おはぎ作れる？」
「え？あ、あぁ…ったくアズはマイペースだなぁ」
「やあ、A！久しぶりだね！」
「ふふ、相変わらず貴方もマイペースよ？」
「ハー、マー…」
見事にそろった天司勢にAは思わず綻ぶ。
「先の戦いではA、大活躍だったそうじゃないか！」
「いいや、むしろ僕が発端だったらしい。その為に僕が動くのは当然だろう？」
「こら、ハーちゃん！今は戦いとか忘れるのってあんなに言ったじゃない！」
「ご、ごめん…」
「して、A…カフェはどうだ？」
「ん？ああ…再開してまだ一日だけどそれなりに繁盛してるよ」
「あら、それはよかったわ。不愛想な二人で心配してたのよ？」
「おい、どういう意味だよ…」
久しぶりということもあって会話に花が咲く。先に注文をしていたらしく、ケーキと珈琲が運ばれてくる。
「へぇ…コピ・レオルがここでも飲めるのか」
「あら、香りだけでわかっちゃうの？」
「フン…その程度、造作もない」
「最近君はサンダルフォンと口調が似てきたね」
「ハーちゃん？女の子に言う言葉じゃないわ」
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年4月7日 14時
