検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:12,433 hit

Episode22 ページ35

「…なんとか…なったみたいだ」

すさまじい破壊力によって消滅した魔物。慌ててサンダルフォンの元へ向かうと、傷口が痛々しかった。

「…誰が全空一の剣の使役者だって?」
「訂正だ。全空一の武器使いだ」
「…ナンセンス…だ」
「おい…?おい!しっかりしろ!」

気を失ったサンダルフォンを何とかして起こそうとする。しかし虚無による損傷が激しく、傷の再生が遅れる。

「…こうなったら…」

剣を取り出し、突き刺す。痛みでうめくサンダルフォンに躊躇いつつも、傷口にさらに剣を突き刺す。

「ふん…ッ…ぁ…」
「しっかりしろ…もう終わる」

剣に光の粒子をまとわせ、サンダルフォンの傷を回復させる。虚無の跡が消えていき、Aの力とサンダルフォン自身の回復力が追いつき、やがて傷が回復し始める。剣をゆっくりと抜くと、その傷口はふさがるのだった。

「…おい、大丈夫か?」
「…」
「…さすがに体力オーバーか。仕方ない」

サンダルフォンに羽織をかぶせ、背負う。そのまま先へと歩を進める。

(あの兵器、おそらく虚無の力による攻撃は有効だ。つまり、あんなのがいたら僕じゃないとまず勝てない。一応ランスロット達の武器には、すぐにわかるように仕掛けはしたけど…いざとなったら剣を媒介に瞬間移動…やってみるしかないな)

考え込みながら進んでいくと、少し開けた場所へと出る。

「…この気配、ヴェインか」

警戒しつつ進む。案の定幽世の番人はいるが、気づいていない様子。

「…けど、サンダルフォンをこのままで行くのは危ない」

考え込んでいると、大きな爆発音が響く。驚いて顔を上げるのと、幽世の番人が驚いて走り出すのは同時だった。

「…なるほど。陽動か」

急いでヴェインの牢獄へ向かい、鍵を開ける。やはり気絶しているヴェインの気配を探り、そして目を開けて確認する。

「…本物。印もつけた」

一度ゆすってみるが、起きる気配もないヴェインにため息を吐く。

「さすがに男二人を背負うのはしんどいぞ…」

ため息を吐きながらも、一度サンダルフォンを下す。ヴェインも怪我がないことを確認し、背中に背負う。

「サンダルフォンは…」

仕方なしに、いわゆるお姫様抱っこをする。目覚めたときの反応が気になるが、そんなことを気にする余裕がないのも事実であった。

「目を覚まさないのが悪いんだからな…一番苦労してんのは僕だぞ…クソ」

そのままさらに先へと進み、王を探しに行くのだった。

Episode23→←Episode21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。