Episode48 ページ49
「助かった…」
「A、憶えておれ。貴様がいなくなって困るのは何もこやつだけではないことをな」
「…ありがとう。ごめんなさい」
「フン…では、ゆくぞ」
「フフ、ミカちゃんも素直じゃない。またね」
「A、今度は俺と勝負しようぜ！サンダルヤロウに飽きたらまた戻ってこい」
「ハハ…サンダルヤロウって…」
「また、会う時を楽しみにしているぞ」
「あぁ、じゃあな！」
それぞれ光となって消えた四大天司に、Aは手を振る。
「さて…ん？」
振り返ると、団員に取り囲まれる。
「な、なにさ」
「A、そもそも天司だったんだ？」
「あ、あぁ…そうだな」
「しかも、偉いやつだったんだよなぁ？」
「一応…？このままじゃ免職かもだけど…」
「でも、でも！サンダルフォンさんの副官ってことは偉い人ですよね？」
「あれはたぶん、サンダルフォンの言葉の綾で…もしかして、黙ってたことに怒ってる？」
「フフ、そうね。あなたは随分と隠すのがうまくてわからなかったわ」
「いや、でも星晶獣には変わりないわけで…」
「それとこれとは別よ！あたし、サンダルフォンと戦いに行ったとき、心配したんだからね！それが…グス…」
「わー、泣くなよイオ…美人が台無しだぞ？」
「まぁ、とにかく無事でよかった。またお前さんとは酒が飲めそうだ」
「お？こいつもいける口か？」
「オイゲンにかかっちゃ天司も何もないぜ…」
団員に囲まれながら、にこやかに笑うAの顔を見て、つい口元が緩む。
「あ！サンダルフォンが笑ってる！」
「え！？」
「フン、ずいぶんと大天司の割には無様だと思ってな。A、俺はお前をこのまま野放しにする気はないからな。せいぜい、俺の役にたて」
「はぁ！？なんだよその言い方！なんでサンダルフォンなんかに言われなきゃ…」
「違うわよ、A。きっと、一緒にいてくれって言っているのよ」
「おい、余計なこと言うな！」
「わわ、サンダルフォンさんの顔が赤いです！」
「見るな！もういい、好きにしろ！」
「ああ、好きにする。お前についていってやるよ、サンダルフォン」
「…！」
突然差し出されたAの手に、サンダルフォンは驚く。少しの間をあけ、握り返す。
「フン、いいだろう」
「うわぁ、心底素直じゃねぇやつ…」
「天司さんはみんな、素直じゃないんですよ」
「そういやぁ、お前さんの本当の羽の色はなんなんだ？」
「ああ、僕？僕は…」
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月3日 20時
