Episode45 ページ46
団員たちの声に、徐々にサンダルフォンは顔を上げる。
「サンダルフォン、お前を倒した空の民だ。身に染みてるんじゃないのかよ？」
Aの言葉に小さくうなずくと、グランのもとへと歩み寄る。
「……ならば。特異点…力を貸してほしい。君たちは世界を、俺は約束を守るために。では…やるぞ！ルシファーの遺産を破壊する！」
サンダルフォンの覚悟を感じてかアバターは大きく唸り声を上げる。そんなアバターを見据え、小さく誓う。
「ルシフェル様…俺に、俺達に力を！」
アバターに向かい、一行は攻撃をしかける。体力の回復したサンダルフォンが決定打を伺い、その隙をグランたちが産む、という戦法だった。羽を顕現させ、アバターに向かおうとしたAに、サンダルフォンは真剣な顔で歩み寄る。
「Aは休んでいろ」
「なんで！」
「勘違いするな。俺の体力が切れたとき、ヤツがこの船を狙ったら終わるぞ。お前は最後の…決定打を放つまで休め」
「…」
Aの顔は尚も不服としている。その顔を見ると、サンダルフォンはフッと笑う。
「と、言ってもこれじゃ納得しないだろう。俺の心配もよそにな」
「え、心配？やっぱしてたんだ」
「…」
「ご、ごめん…」
「君に、光の元素を渡しておくよ。それなら暴走も抑えられるだろう。どうやら君は戦闘狂らしいからね」
「なっ…！」
サンダルフォンは、仕返しとばかりに言い返す。真に受けたAはサンダルフォンにつかみかかる。
「フフ、サンダルフォンたら素直じゃない！素直に一緒に頑張ろうって言えばいいじゃない」
「な…おい特異点笑うな！君等は早く態勢をだな…」
思わぬ横やりを受けたサンダルフォンは、またも形勢逆転し団員にしばらくいじられる。アバターの付近までたどり着くと、皆何も言わずとも真剣な空気をまとう。
「…くれぐれも、無茶をしてくれるなよ」
「お互いに、な」
サンダルフォンは、Aの羽に触れる。黒く染まっていた羽は、黒と白、二色の羽に変わる。
(ルシフェル様…貴方の愛した空の民は、とても強い…そして、友人も)
前方で今なお破壊の限りをつくすアバターに向け、意識を集中する。
「いけ、特異点！」
「あぁ！」
サンダルフォンの合図で団員が攻撃をしかける。その間、Aはアバターに接近し、上空へと移動する。
「A！」
「あぁ！」
羽を最大限まで顕現させ、上空を覆う。
「永久を償え！プリズン・オブ・セフィロス！」
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月3日 20時
