Episode31 ページ32
突然の宣言につい言葉を失う。ふと、抱きかかえていたものの力がなくなっていることに気が付く。
「ルシフェル様…?ルシフェル様!!死なないで下さいよ!あなたが死んだら、約束が…ッ」
「あっけないね…所詮はその程度。さあ、君も計画の邪魔だ。消えてくれないか?」「
「…ない…」
「ん…?」
「させないッ!この世界は…ルシフェル様が愛した世界で…あいつと僕が過ごした世界なんだ!」
ルシフェルの羽に触れ、コアの元素を使う。
「べリアル、あとはやっておけ」
「オーケイ…ほう…そういえば、空の天司だったね、君は。俺と一緒に昇天しようじゃないか…」
「ぐッ!?…っはぁ…っはぁ…」
「ずいぶんと苦しそうだね。そういう顔されるとそそられるよ。顕現して間もなく力を使いこなせるわけがないだろう?…失敗作ちゃん」
「ッ…!!だまれぇぇぇええッ!」
Aの慟哭が衝撃波となり、破壊する。しかしべリアルは平然と立っている。
「そうカッカするなよ。俺は楽しいことが好きだ。一緒に楽しもうぜ?」
「…壊させない…させない…殺す…殺すッ!」
「あ〜あ…これはまずいね…完全にイっちゃってるよ」
負の感情により、闇の元素の多く取り込まれたAの羽は黒く禍々しく輝いていた。それにより、扱いきれない力が暴発し、破壊衝動となっていた。
「いいねぇ。やっぱり君はこのほうがよほど面白い…なんなら俺とリビドーを分かち合おうじゃないか」
「グアァァアアアア!」
「…ッ!」
突如、反応しきれない速度で迫ったAに回避が遅れ、一撃を食らう。
(なんだ…?再生が遅い)
Aの一撃によって、片腕を失うべリアル。感じたことのない感触に思わず笑みがこぼれる。
「本当に、君は最高だよ。なんでファーさんは君を失敗作だなんて読んだんだろうねぇ。君のがよっぽどあの坊ちゃんよりも楽しそうだ」
「…サン…ダ…ン…」
「おや…?」
闇の元素が徐々に収まり、徐々に羽の色が変わる。
(暴走を抑えたか。つぎは…四大元素か…ククク)
極彩色になった羽は、先ほどとは違い美しく輝いた。
「…はぁ…はぁ…僕は、負けられない。失敗作?スペア?そんなのどうだっていい…ルシフェル様のいない今…あいつを守るのが僕の仕事だぁッ!」
無理やりルシフェルの力を引き継いだAは、苦悶の表情ながらもベリアルに向かっていく。
「君もスペアとして作られただけはある。さすがに感じた」
43人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月3日 20時