【w/r/w/r/d】 略 奪 計 画 【軍paro】

33.ならば ページ33

僕は急に騒ぎ立てる彼らを振り返った。




ニィッ




自分でも広角が上がるのがわかる。



『…聖徳太子、ですよ』



「「「「…………」」」」


何に驚いたのか、絶句して固まる彼らへ一歩歩み出た。


『昔、聖徳太子は隋の国と友好関係を結ぶ時、敵の孤立化を図ったんですよ。知りません？日本の。


なら、僕達も同じことをします。


ら国と敵対している国と友好関係を築き、その後に二つを戦争させる。


…正確には準備期間に、我々国が手紙を出すんです』


それにピンときたのか、猫目がパッと顔を上げた。


shp「敵対国と我々国が、手を結んでら国を潰す…」


『そうです。


基本的に国というのは、孤立化を嫌います。


先ほどの条件を解除しなければ、貴方の国は孤立する、と。


そう遠回しに伝えるんです。


そうですね…、スパイ候補はいくつかありますが。


僕を疑う数人は違う。


そして昨日と今日ですれ違ったのは、


総統様、トントンさん、紫さん、緑さん、シャオロンさん、アキさん。


ですが守りが固いこの城でスパイは考えにくかもしれませんね』


僕がそう一気に捲し立てると、動揺した様子で一人が呟いた。


zm「…なんか。


えらい饒舌やな…」


その言葉にハッとする。


『…え、あ、すすすすいません…』


まずい、調子に乗って一人で喋ってしまった。


何出しゃばってんだよ自分…！


お国のトップだぞ…


sha「う〜ん…、A、成長したなぁ…」


しみじみと呟くシャオロンさんに軽く肘打ちをしようとして、すぐにストップした。


…そういえばシャオロンさんもちゃんと幹部だ。


今まで僕が気安く話しかけて悪かったな…


急にシュンとした僕に、トントンさんが肩に手を置く。


tn「…よぉ考えるなぁ、ぐう有能やんけ。


これでら国の色々を暴けるかもしれへんな。


ありがとなAちゃん」


shp「豚コレラが移るんで触らないでください」tn「ひでえ」


トントンさんの額にシャーペンがクリティカルヒット。


投げた主は猫目。


作者にシリアスなんて不可能なんだ。


面白がったシャオロンさんと緑パーカーも応戦しだす。


『…あのー』


飛び交う枕や文房具を見つめながら、僕は叫ぶ準備をした。


『……


ここ僕の部屋なんですけど！』


zm「うおっ、シャオロンスコップは反則や！」
shp「トントンさんだからって剣は！剣はアウトっす！」
sha「ふーん、甘いぜぇ！」
tn「は！？自業自得やんけゴルァアア！」

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