2 ページ2
Nside
裏の世界にいる者なら誰もが聞いたことがある
どんなターゲットだろうと、必ず依頼を遂行する殺し屋がいると
ある時は教師に、またある時は議員に
どこにいても、人々が疑念を抱える事が無い程溶け込み、誰も気付かぬ内に消えゆく存在
その潜入術と、圧倒的な殺しのスキル
一度でもその標的にされたら終わりだと
目の前でグラスを傾ける彼にそう言われ、何故か恐怖も疑いも持てなかった
時折見せた恐ろしい程の冷徹な表情も
凍てつく殺気も
元殺し屋ならば納得できる
「でも、相葉くんを拾ったのは警視総監だって…」
潤くんが震える声で呆然の呟いた
「ええ、彼はもちろん"死神"を知っていました
拾ってくださった時はさすがに気付いていませんでしたが、俺が名乗りました
顔バレはしていなかったので」
「警視総監に名乗った……？」
「どうなってもいいと思っていましたから」
平淡な声で、彼は言った
思わず俺達が息を飲むほど、あっさりと
「その後、まぁもろもろありまして
俺の存在はトップシークレットとして扱われつつ、生きる事を許可されています」
まるで自分を物のように言い表した相葉
微笑みを浮かべる彼が、とても遠く、大きく、何より哀れだった
知りたい
何もかもを
一緒に背負うなんて出来ないかも知れないけど
一緒に泣くことは出来る
一緒に祈る事は出来る
一緒に……生きることは出来るから
「相葉」
微笑みを浮かべたままこちらを見た彼の目を真っ直ぐ見つめながら、俺は言った
「全部……全部話してくれ
何もかもを」
こんな声が俺の口から出るなんて、誰が想像しただろう
こんな、親にすがる子供みたいな、切実な声
でも、誰も笑わなかった
同じように彼を見つめて、懇願していた
暫くじっとグラスを見つめていた相葉は、ふっと小さく息をついて立ち上がった
店内にある大きな書架に近付くと、懐から取り出した小さな鍵を、書架の一部分に差し込んだ
すると、たくさんの書物が並べられた書架が扉のように動き、奥から階段が現れた
「……場所を変えましょう」
階段の先には、12坪程の部屋があった
店内と違って、白を基調とした寒々しい空間
そして、そんな部屋に不釣り合いに
ライフルやハンドガンが、棚に置かれていた
中央にあるソファに腰掛けると、相葉は目を閉じた
そして目を開けると、語り始めた
相葉が歩んできた、全てを
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 297人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
crow - Finalの相葉ちゃんに大興奮！！ 色々な名言が生まれたイイお話でした。 (11月21日 0時) (
レス) @page17 id: 437ea3d9a6 (このIDを非表示/違反報告)
crow - Finalの相葉ちゃんに大興奮 (2023年4月24日 0時) (レス) @page18 id: 437ea3d9a6 (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろ様、コメントありがとうございます！一気に読んでいただいたと言う事で、感激です…！番外編の方もどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年3月6日 22時) (レス) id: befc5e26fa (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮様、ここまでお付き合い下さりありがとうございました！櫻宮様のコメントに何度励まされた事か…！ありがとうございました！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: befc5e26fa (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ(プロフ) - おすすめに出てきたことをきっかけに読ませていただきました。ここまで一気に読み切り、楽しませていただきました。ありがとうございます。大好きです！番外編も楽しみに読ませていただきます。 (2021年3月3日 17時) (レス) id: 84d56b057b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリン | 作成日時：2020年9月19日 11時
