検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:14,799 hit

ページ7

彼女は鍾離ほどは長く生きていないが、仙人の種の人物である。かれこれ鍾離とは長い付き合いであり、彼女がたまに帰って来た時に旅の話を聞くのか鍾離の楽しみであった。



そして鍾離は彼女に好意を寄せていた。




「まあ、またすぐに出るし、ちょっと顔を見に来ただけだよ」




「……もう出るのか?」




「うん、今度はスネージナヤの方にも行ってみようかなぁって」




スネージナヤ、公子殿の母国であったか。
そう思い鍾離はタルタリヤの顔を思い出す。


あの男はちょっかいを出すことだけは一流だったな…


そんなことを考えていると心にモヤがかかる。
彼女を取られたくない。彼にも、スネージナヤにも。



「……て……ない」



「ん?」




「行ってほしくない、と言ったら迷惑か?」




「え」




その言葉に彼女は数秒固まる。
その言葉の意図を鍾離の顔から読み取ろうとするが、考えれば考えるほど自分の都合の良い解釈をしてしまって顔が火照ってくる。


「そ、それは鍾離先生、どういう…」


正直に「教えて欲しい」と言葉を紡ぐが焦りで口が不器用になる。



「…お前をずっと傍においておきたいんだ」



鍾離の言葉と優しい微笑みで彼女は全てを理解する。





「鍾離先生、ちか、近い!」


「なんだ、俺の頼みを受け入れてくれないのか」


「受け入れる受け入れない関係ないにしてもこの距離はおかしい!」


「やっと想いを伝えられたんだ……お前も満更ではない顔をしていた。…なれば俺の傍を離れぬように契約で縛ってしまおうか?」


「嫌とかじゃなくて脳が追いついてないの!!」


「ははっ、冗談だ。……さて、お前の気持ちを口から伝えて貰おうか、A?」


「ッーー〜!!!」

友人を失った◈煙緋→←小さな嫉妬と大きな告白◈鍾離



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
84人がお気に入り
設定タグ:gnsn , 原神 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たろ | 作成日時:2022年9月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。