やぁ、相棒◈タルタリヤ ページ24
「やぁ、相棒」
木の影で休んでいるとそんな声が上から降ってきた。オレンジ髪に濃い青色の目。ファデュイ執行官のタルタリヤだ。
「相棒って…。あの旅人にも相棒って言ってるじゃん」
「それはそれさ」
タルタリヤは私の隣に腰を下ろすと、「それ」と言って私の脇腹を指さす。
そこには痛々しい傷と赤い血が服を染めていた。
「まあ、ちょっとね、そういう時もあるよね」
私は適当に返答する。そこまで深い傷でもないし、縫う必要も無い。少し痛いだけだ。
「ダメだろ、ちゃんとしなきゃ」
「あなたも大概に怪我するけどね。戦闘狂さん」
「素直じゃないなぁ、ほら貸して」
私が怪我で動かないことをいいことに強引に怪我の手当を始める。
「やめてよ、」
「いいや、傷から菌が入っちゃうだろ」
「大丈夫死なないから」
「死ななくても傷跡が酷く残る」
服を捲られて素肌を見られて恥ずかしいのに
ほらほら、と促されて包帯を巻かれる。
「暴れるから綺麗に巻けないだろ」
「自分でやる」
「身体痛いでしょ？」
「知らない」
そう突き放してもこの男は引っ付いてくる。
なんなんだ…一体。
「よし、できた。1人で歩ける？」
「聞く前から私の身体支えてるじゃん」
「うん、支えはするさ」
「タルタリヤってなんでこんなに私に構うの？」
「うーん、相棒だから？」
「相棒は何人も作っちゃいけないんだよ」
「じゃあ俺が好きでAに構ってる」
「勝手に…」
そんな他愛のない話をしながらファデュイ執行官と同年代のファデュイは夕暮れの道を歩いていく。
このふたりが生涯、一緒の道を歩くことになるのはまた別のお話である。
続く (更新停止中)
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作者名：たろ | 作成日時：2022年9月22日 20時
