phase18 ページ19
*
一方
「ん?なんでここに?」
ルプスがAから取り上げたリュカの上着
なぜか、一階の壁際に落ちていた
金ちゃんについてきて三階から一階に移動してきた、ベイリーとリュカがそれを見つける
「屋上から一階へ瞬間移動?なわけないよな」
「もし瞬間移動だとして、それを持っていたルプスさんとお嬢さんはどこに?」
さらっと超常現象を推理し、驚きもしない異能持ち二人
ふみふみ
落ちている上着を肉球で押し始める金ちゃん
「ああ、やめて!生地が傷んじゃうよ」
「細かいこと言うなよ、リュカ」
「丁寧に扱ってると言って下さい」
リュカの言葉を無視し何度かふみふみした後、その肉球二つを壁に押し当てる
肉球を中心に金色に縁どられた球体が浮かび上がる
ノイズ混じりの荒い映像の中には…
「ルプスさん?」
「ヒュー♪かっけーな。お嬢さんを姫抱っこしてんじゃん」
「二人のいる場所、拠点の前ですよ。僕、見てきます」
「なんだ、外に飛ばされてたのか」
なぜ飛ばされたのかはともかく、案外簡単に見つかったなと思いきや
リュカが慌てて戻ってきて、
「いないんです!!」
そう叫んだ
*
「で、俺達を呼んだのか」
用心棒全員集合!
いや、二人を除いて
「僕じゃ理解できないです!!摩訶不思議すぎて」
ハデスの問いに、頭を抱えて答えるリュカ
『だろう』な、ね、と語尾それぞれで同意する仲間たち
エイノットがノートパソコンを見ながら爆弾発言
「ルプスとお嬢さんのDPDのIDが消滅してる
同時にDPDのシリアルナンバーも 」
「どうゆうことや?」
「
ID削除履歴とか製造・販売情報もメーカーサイトに載ってない
つまりこの世のネットワークに存在してないんだ」
「お前が情報を追えない?」
リーダー二人がエイノットと話すなか、
「ルプス、お嬢さんと会話できないみたいだ」
「DPDが起動してない」
金ちゃんが見せる映像の中の二人は、DPDのスイッチを何度か押して、
言葉と身振り手振りでで互いの意思を確認している姿
「あの二人はこちらの時間にいない」
地下から戻ってきたマルドゥクが告げた
*
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作者名:姫保 | 作成日時:2021年7月29日 10時