【 歌い手 】ガチ恋こたぬきの義兄は 、あほの方でした 。

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うらた さいど 、



扉を ばたん 、と閉めたあと 、我に返った 。



あれ 、？ 俺 、またあいつに …… 。



先程の出来事を思い浮かべてみる 。

下を向いていたAの顔が心配だったから見たくて 、頬に手をあてて顔をあげさせた 。

うん 、そこまでは大丈夫 。



そのあと …… 、もしかしなくても 、おでことはいえ 、キスをしてしまった …… 、？？



「 また …… 、やってしまった … 」



今日の仕事現場までは電車で移動するため 、駅まで歩いていたとき 、向こうから見馴れた姿が来るのを見つけた 。



「 うらさ - ん 、！ 」



「 あ 、坂田 。もう家に戻るのか 」



「 いや 、うらさんに用があってな 。これから仕事やろ 、？ 終わったらちょっと話さん 、？ 」



Aに関してのことだろうか 。

そうだとしたら 、しっかり " 話せない " って言った方がいいだろうな 。

話の内容は 、それ と …… 、紙に書かれていたもうひとつのことだろう 。



" Aのことをどう思ってるのかとか 、ちゃんと考えてみてほしい 。"



くそ 、全然考えてなかった 。

ていうか 、昨日のも今日のも 、無意識だった 、って言えばそうなる 。

好意を持ってない訳じゃない 。むしろ 、仕事で会う人とか 、スタッフさんとか 、ファンの人とか 。



そういう人達と比べてみれば 、恋愛対象として 、見ているのかもしれない 。



そこら辺がまだ自分でもわかってない 。



たぶんだけど 、付き合ったときに " 浦島坂田船 " とか 、" うらたぬき " として考えたとき 。

それを 、公表したとき 。公表しなくても 、バレたとき 。



そのとき 、Aがどうなるのか 、って話なんだよな 。



「 ん 、わかった 。仕事終わったら連絡するわ 、」

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