第2話 ページ3
(獪岳side)
司令があって森で鬼を切って、その帰り道、少し開けたところで一人の男が踊っていた。
小柄な男だが大きな動きで俺は知らないうちに圧倒されて見入っていた。
あれは、舞柱だ。
俺は柱には出来るだけ関わらないようにして来た。
安全に昇格して安全に生きたいからだ。
なのに。
最悪だ。
「どなたですか。」
バレてしまった。
下手に無礼を働くと何をされるか分からない。
柱特有の圧倒的威圧感。
俺は言われること全てに首を縦にふっていた。
そしたら。
「.........?」
何故俺は柱と町を歩いているのだろうか。
なぜ俺は柱と団子を食べているのだろうか。
「いや〜、美味い。美味い〜。仕事終わりの団子は本当に美味い。は〜」
先程までピリピリとしていたはずの舞柱が、あろう事か団子を食って頬を緩ませている。
しかし本当にこの男は顔が整っている。
じっ、と顔を見つめていると、ふと男がこちらを向いた。
「獪岳隊士、君は雷の呼吸の使い手と見たがどうだろうか。」
「はい。そうですが。」
「ふむふむ、やはりそうか。あぁ、いや、別にだからといってどうという訳では無いんだ。ただ、俺の使う舞の呼吸は雷の呼吸の派生ですから、桑島さんは元気にしていますか?」
桑島という名前に俺は少し複雑な心境になった。
俺は、雷の呼吸の継承権を捨てた。
「…はい。」
「…そうですか。」
何かを察したようで舞柱はそれ以降は何も聞いてこなかった。
パクパクと団子を早急に食べ終え、急に立ち上がり、舞柱は俺の手を取った。
「もう少し付き合ってください、行きたいところがあります。」
俺は渋々、その男について行った。
1336人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2021年9月4日 14時) (レス) id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2021年1月11日 22時) (レス) id: e1c8a072d5 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 続きぃ…続きが…読み…た…い…_(:3」∠)_ (2020年6月25日 2時) (レス) id: a576ecff6a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ - こういう感じの作品…求めてました…ありがとうございます! (2020年5月8日 13時) (レス) id: f998f40160 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - 尊い・・・尊い・・・素晴らしい。。もう何度読んだか・・続きたのしみにしています! (2020年4月18日 12時) (レス) id: 43beb87d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐藤 | 作成日時:2020年2月11日 13時