20話 ページ20
「A殿
突然飛び出して心配をかけてしまったこと、
大層申し訳なく思っている。
今は鬼殺隊の療養所で怪我を癒しつつ、
身体機能回復訓練を行っている。
あと3日もすれば自宅療養に戻れると聞いている。
早くA殿の食事が食いたい。
いやはや、上弦の鬼は手強い。」
2日後、杏寿郎さんから文が届いた。
蝶屋敷からの文だと、利き手を負傷したということだったが、なるほど杏寿郎さんの筆跡は少々乱れていた。
『杏寿郎さん……。
良かった……。』
2日後、杏寿郎さんは鬼殺隊の監視付きで帰宅した。
じゃり、と鳴き石を踏む音に、私は玄関まで駆けていく。
『杏寿郎さん!……あっ、』
慌てたせいで、扉を開けながらつんのめる。
ドン、とその体を受け止めたのは、見知った炎の羽織とびくともしない杏寿郎さんの胸。
「A殿……!」
杏寿郎さんは、一瞬戸惑うように声を揺らしたが、そのまま私の背中に腕を回した。
「心配かけてすまない。
戻ったぞ。」
ギュウ、と、私も負けじと抱き返した。
『杏寿郎さん、おかえりなさい。』
私は、もはや何も考えられないくらい真っ白な頭で、それだけ言った。
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やも - 冨岡夢の作品を読んでこちらも拝見させてもらいました。やっぱり文章が綺麗に洗練されていてとても好きです!素敵な作品ありがとうございました。 (2020年5月7日 14時) (レス) id: be623916d5 (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - Rさんさん» コメントありがとうございます〜!変な文章どころかありがたい文章です…今のところ続きは書いてなうのですが、書くことがあればこの小説にリンクでも貼ろうかなと思ってます! (2020年4月15日 21時) (レス) id: 218c4f48c9 (このIDを非表示/違反報告)
Rさん - 完結おめでとうございます!コメントするの初めてなのですが変な文章になってないでしょうか?とても感動しました!続きなどあれば是非教えて下さい!素敵な時間ありがとうございました (2020年4月15日 14時) (レス) id: f96fb724ca (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - 炎さん» 一気読みできるテンポを狙って書いていたので、コメントうれしいです、励みになります!読んでいただいてありがとうございました! (2020年3月30日 15時) (レス) id: f96b77b227 (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - ss好きの923chanさん» ありがとうございますー!読んでいただけて嬉しいです。また思いつけば短編でも書こうかなとは思ってます! (2020年3月30日 15時) (レス) id: f96b77b227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イトカワ | 作成日時:2020年3月27日 23時