【鬼滅の刃】変化なんてありゃしない【東京喰種】

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明転





…いかん、つい懐かしさに身を委ねてしまったが食事をした際に血がついてしまった

このまま豊さんの元へ帰るのはダメだ

路地裏には俺ただ1人。そんな状況で壁に飛び散った血の跡や匂い。そして何より血塗れた着物
死体は俺が食べたのでないにしろ、明らかに怪しすぎる


─走れ。誰にも気づかれぬよう

高い建物の上に行き、ひたすら走る
幸いな事に地上では先程の混乱がまだ納まっていないのか、頭上のことを気にかける人は誰もいない

浅草の喧騒を横目に家へ戻る
豊さんから初めに借りた着物以外にも、自分の働いた金で着物を買っていたので着替えはある

先程まで着ていた着物は残念だけど、目立たぬように赫子で細切れにしておく

そして目立たぬ所にしまう。後で処分しておこう

早く戻らなくては


「ただいま戻りました豊さん」

「おうA、まだ戻ってくるには早くないか？それに、服どうしたよ」

「実は大通りの方で騒ぎがありまして…それに巻き込まれた拍子に転んで着物が破れてしまったので、着替えてきました」

間違ったことは言っていないので大丈夫だろう

「おうおうそうだったのかい。そりゃとんだ災難だったな。そんな騒ぎがあったってんなら今日はもう客も来ないだろう。ここまでにしておこうか」

「閉めちゃってもいいんですか？まだ夜は長いですよ」

「なぁに心配には及ばねぇ。今日くらい閉めたところで潰れるようなヤワな店じゃないさ。片付けは俺がやっとくからAはとっとと休んじまいな」

「ですが豊さん…！」

手伝おうとしたが、豊さんに優しい目を向けられたのでお礼を言い、その優しさを受け取り渋々家へ戻った

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