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入社式。
周りの新入社員は眠たそうに
社長の話を聞いている中、俺は頷きながらメモ帳にペンを走らせる。
…こういうのは後から聞かれるからメモした方がエエ。最初はとにかくメモを取れ!
……という、信ちゃんの言葉を守る。
信ちゃんは某有名医薬品会社に勤めてる、大学の先輩。
有名な広告代理店らしいオシャレな造り。
…まずライトが黄色がかってるもんな、眠気覚ましのブルーがかったライトと比べ物にならへん。
「えー、新入社員の諸君には業務を通してスキルアップしていってほしい。」
社長が締め括ると、司会の女の人がニコニコしながら指示を始める。
どうやら配属先に見学しにいくらしい。
俺の配属先は営業部。
ホンマはデザインの方に行きたかったんやけど、まぁ仕方ない。
デザイナーが描いたデザインを通すのは営業だから。デザインに深く関わっているのには変わらない。
眼鏡の女性社員に案内されてく、新しい営業部の社員たち。
わざと北向きに窓が設置されているから、真昼でも眩しすぎひん光が入ってくる構造。
…基本、南向きに窓が設置されてる学校は見習った方がエエと思うな。
「こんにちはー、ちょっとお時間良いですか、」
眼鏡の女性社員が声を張り上げるも、営業部の方々は手を止めへん。
ある人は電話をしながらパソコンに何かを打ち込んでるし、ある人はバインダーを抱えて忙しそうに書類を捲っている。
…忙しそう。
ていうか、眼鏡の人無視するん可哀想やない?
誰か1人ぐらい返答してあげてもエエやん。
あー、あれか。
忙しすぎて心が荒んでもうてんのか。
眼鏡の人がもう1度、すみませーん!と大声で言うと、背の低い男の人が近付いて来た。
その人が眼鏡の人に声をかける。
すると眼鏡の人は頭を下げてから、営業部から出ていってもうた。
その男の人は俺らを黙って見つめてくる。
もちろん俺らも言葉を発せずに、ただただ無言の時間が流れた。
え?
どゆこと?
戸惑っていると、ある社員がスマホを耳に当てながら、さも電話相手と会話してるように、俺に耳打ちをした。
「これテスト。名前、大学、趣味、一言を短く言って」
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れいんと。(プロフ) - つらきさん» コメントありがとうございます!更新速度が遅くて申し訳ない…。んー、どうでしょ。その辺りにも触れていきたいと思っています笑 (2021年10月3日 9時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
つらき(プロフ) - 大量更新ありがとうございます〜!!これからの展開が楽しみです。青さんが何を考えてるのか全然わからない笑 橙さんは少し緑のことが好きだったのかな、だから出勤してきたのかな、と考えを巡らせてます。更新頑張ってください! (2021年9月27日 11時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
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