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じろじろと周りからの視線を感じるのは、私が彼に不釣り合いだからなのだろう。いかにも高そうなレストランで食事をした後に、こんなホテルの最上階のバーに来たけれど、先ほどのお店に入った時と同じ状況。そりゃ、こんなモデルのような若い男性と平凡なワンピースの私では違和感しかない。
「Aさん、お酒強いんですね」
『そこまでは……嗜む程度です』
「ふふ、大人だなぁ」
『いや、そんなことは…』
カウンターで横に座る距離が、肩が触れるか触れないか。私を少し見下げるようにしているのにニコリ、と微笑まれるから圧迫感はなくて、むしろ大きなわんちゃんみたくて可愛い。
『ラウールさんこそお若いのに、一企業の長を務めてらっしゃるなんて素晴らしいです』
「いえいえ…所詮は親の七光です。下請け企業を腕試しに任されているだけですよ」
『それだけの仕事ができると見込まれてのことですよ』
「どうだか……僕にしてみれば、Aさんのようにお祖母様が残されたお店を守ってらっしゃる方が幾分も素敵です」
『……そんなことないです。おばあちゃんに比べれば、技術も経験も乏しいですし……ご贔屓にしてくださっているお客様のお陰でなんとかなっていますけど、この先厳しいのは明白です。……あ、すみません、こんな私情を……』
「いいえ。少しでもAさんに気を許してもらえているような気がして、嬉しいんですよ？………もっと知りたい」
す、とカウンター下にある右手が囚われて、彼の指としっかり絡まった。慌てて彼の目を見ても、柔らかく微笑まれるだけ。甘い空気に耐えられなくて、会いている左手をなんとか動かして、グラスを煽った。
『あの………どうしてうちみたいな店にいらっしゃったんですか？』
「どうして、とは？」
『オーダースーツは最近、有名店でも取り扱っていますし……何がきっかけで選んでいただけたのかと。どなたからのご紹介ですか？』
「ああ、……….ええ、そうですね」
『そうですか』
なんだか歯切れの悪い回答に、私はそれ以上聞くのをやめた。しつこい女は嫌われる。彼の合格点を保ちたかった。
「そろそろいきましょうか」
『あ、そうですね。では、』
帰宅しようと椅子を降りて距離を取ろうとしても、繋がれた手は離されなかった。むしろ、より強く引き寄せられた。
「………部屋を取ってあるんだ。
……朝まで一緒に居てくれない？」
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kae(プロフ) - meeeeenさん» meeeeen様、いつも優しいお言葉をかけてくださってありがとうございます😢架空とはいえ、ありそうだなぁとお話の世界に入っていただけて嬉しいです🙏こちらこそ読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします😭 (2023年4月4日 18時) (
レス) @page49 id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
meeeeen(プロフ) - 最後まで楽しく拝見させていただきました。勿論、彼らは素敵な人でそんなことはしないであろう…でも、想像できます。素敵なお話ありがとうございました！！ (2023年4月4日 11時) (レス) @page50 id: f8e174bf81 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ゆきさん» ゆき様〜！いつも温かいコメありがとうございます😭あまり反応が無くて悲しくなってたんですが、一気に全部吹き飛びました😂これからも頑張れます…！ほんとにほんとに凄く嬉しいです！！これからも宜しくお願いします♡ (2023年4月2日 10時) (レス) id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - kae様、いつも刺さりまくるお話ありがとうございます！ ダークなスノさん最高でした🥹 またお話たのしみにしておりすます！ (2023年4月2日 8時) (レス) @page50 id: 6c8365d1f8 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - まーたんさん» まーたん様、コメありがとうございます😭のんびり更新とはなりますが今後ともお付き合いください💦 (2023年1月4日 15時) (レス) id: 0d3898dd38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2022年12月5日 0時
