◊*ﾟ81 Red ページ32
.
「参ったな……」
着替えの部屋だと案内された先には湯船が用意されていて、
何人もの女中たちに囲まれて逃げることができず、渋々施しを受けた。身体を洗い、マッサージを受けて。時間を稼がれているのは分かりきっていた。
「危害が加わる訳じゃない、か」
おだやかな空気が流れて、怪しい気配も感じない。きょもの狙いはAと2人きりの時間だろう。彼との会話で彼女を傷つける気はないと踏んでいたし、もう着物を着付けてもらう段階まできた。帯を整えて……これで解放される
"ドサ、"
廊下から聞こえた不自然な音に咄嗟に部屋から出ると、先ほど施しを手伝っていた女中が倒れ込むのが見えた。そのそばには忍者のような格好の男
「………おい、そこで何をしている」
バッ！と振り返った相手と、一瞬にして自分の背後に気配を感じる………もう1人いたか。
"お前は……宮舘！"
「俺のことを知ってるのか」
"煩い！ちょうどいい。始末してやる"
一斉に前後から襲いかかってくる攻撃をなんとか交わすものの、1人が振り翳した刃先が肩口を擦ってしまった
「っ、！」
………不味い。流石に2人の相手は厳しいか。ここまで騒いでいるのにきょもの護衛の気配もない。すでに眠らされているか……援護がないと、……くそ、どうするか？
"ふはは、まずはお前からだ"
また2人揃って襲いかかって……その時、
「きょもー！なんか門の番人さんたち倒れて、
………おい。てめぇら、何してやがる」
大声で廊下を歩いてきた男。半袖に短パンに裸足。竿を肩にかけて、持っている籠には山盛りの魚。現れた時は陽気な笑顔だったのに、忍者2人を視界に捉えた途端、それは冷徹なものに変わった。そして彼らと対峙する俺に目線を移して、驚いた表情をした
「もしかして……宮舘様では？」
コクリ、と頷いた俺と肩を押さえている状況をすぐに察知した彼は、まるで飛猿のように俺の前に立ち塞がった
「……きょもの恩人を襲うなんぞ、非道も非道。
………港の首長、この森本慎太郎が相手になってやる」
"何……森本慎太郎だと！？"
「ほー、俺のことを知ってるか。さてはお前らの狙いは宮舘様だけじゃなく、きょももってことか？」
"うるせぇ！やっちまうぞ！"
相手が飛びついてくる姿がスローモーションに見えた。何故ならその何倍もの速さで、森本という男は彼らを圧倒したからだ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 870人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kae(プロフ) - ひよこごはん(赤月 アズ)さん» ひよこごはん様〜！再度のコメントありがとうございます🫶🏻う、嬉しい…力強いメッセージでエネルギー分けていただきました！！のんびりな私を今後ともよろしくお願いします✨ (2022年11月3日 7時) (
レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
ひよこごはん(赤月 アズ)(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!!!作者様のペースで頑張ってください!完結までついていきます!!!! (2022年11月3日 1時) (レス) @page50 id: 339e8970fe (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - のんさん» のん様、日頃より優しいお言葉をありがとうございます😭ほんっっとうに励みになります……これからもお付き合いいただければ幸いです😭 (2022年11月3日 0時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
のん - お久しぶりです！のんです。2章完結おめでとうございます🎉これからも応援してますのでゆっくりで大丈夫ですので執筆活動頑張ってください😊 (2022年11月2日 23時) (レス) @page50 id: 826efce59b (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - たぬさん» たぬ様、嬉しいコメントありがとうございます！自己満の配役も喜んでいただけて感激です😢お気遣いまでいただいて優しさに甘えます。笑 なかなかの亀更新ですがお付き合いいただけると幸いです♡ (2022年9月30日 20時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kae
| 作成日時：2022年6月15日 23時
