親知らずなんて、俺知らない 5 (翔) ページ47
雅紀Side
翔「なんとか・・・・ならないの?」
雅「抜いちゃったほうがいいと思うけどなぁ。
そんなに難しい生え方してないし、すぐに終わっちゃうよ?」
.
翔「だって・・・あれだろ?
・・・あの・・・・切開・・・とかさぁ・・・」
.
雅「俺にやられるのが心配?(笑)」
.
翔「いやっ、雅紀だからとかじゃなくて・・・・
・・・そのぉ・・・・いっ・・・い・・・」
.
雅「痛くなんかないよ。
しっかり麻酔するし、切開だってほんのちょっとだもん。
大丈夫、大丈夫。」
.
.
やっぱり痛みが一番心配だよね。
翔にぃは“痛いの?”って聞くのが恥ずかしいのか、
なんか目をきょろきょろさせてるけど(笑)
.
別にいいんだよ、痛いのが怖いのは誰だってそうなんだから。
“痛くしないでね”って言っちゃった方が楽だと思うけどなぁ〜
.
.
.
「まさにぃ、しょーにぃなにするの?」
.
雅「ん〜?
悪いことしてる歯をね、退治してあげるんだよ〜?
でもねぇ、翔にぃはそれがちょっと怖いみたい。
頑張れ〜って言ってあげて?」
.
翔「ちょっ!!・・・・別に怖くなんか・・・・」
.
.
翔にぃがなかなか首を縦に振ってくれないから、
Aに手伝ってもらっちゃった(笑)
妹の前ではイヤだなんて駄々こねられないでしょ?
.
.
「しょーにぃ、がんばって!!^^」
翔「うっ・・・・・・・・・・」
.
雅「翔にぃ? 頑張れるよね?
ちょっと怖いけど我慢できるよね?」
翔「こっ・・・怖くなんてないって!!」
.
雅「そお〜?
だって、A。
翔にぃ怖くなかったんだって。
それなら歯医者さん行けるよね。
せっかくAにも応援してもらったんだし。
ねぇ?」
.
翔「ん・・・・・・・・・」
.
雅「頑張って歯医者さん行く?
それとも怖いからやめとく?」
.
.
俺の顔とAの顔を交互に見ている翔にぃ。
こんなやり方して、ちょっと可哀想だったね。
.
でも抜くなら早い方がいいから。
無理やりだけど勘弁してね、翔にぃ。
.
.
.
雅「行けそう?」
翔「・・・・・・・・・・・はい。」
.
逃げ場のなくなった翔にぃは、ガックリした顔で小さく頷いた。
.
.
.
“えらーい!! すごーい!!”と
俺とAにベタ褒めされた翔にぃ。
.
なでなでするAに“ありがとう”と言いながらも、
盛大な苦笑いを見せていた。
親知らずなんて、俺知らない 6 (翔)→←親知らずなんて、俺知らない 4 (翔)
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2012年9月28日 23時
