風邪ひき潤くん 9 ページ30
智Side
潤は僕らの声を聞く余裕もないほどパニックになっていた。
どうにかして落ち着かせないと、高熱の身体には負担が大きすぎる。
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潤「んっ!!・・・うっ・・おぇ・・ｳｴｪｪ」
智「おっと・・・和、タオル持ってきて!!」
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大声で泣き続けていた潤が、いきなり嘔吐しだした。
泣きすぎちゃったね・・・
これじゃあよけい苦しいなぁ。
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智「よしよし、びっくりしたねぇ。
だいじょうぶ〜? もう出ないかな?」
潤の顔を横に向けながら、口の中のものを出させる。
喉に嘔吐物が詰まったりしたら大変だ。
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智「お口の中気持ち悪いねぇ。
起きたらお水でゆすごうね。」
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和がもってきてくれたタオルを指に巻いて
唇についたものを拭いてあげた。すると・・・
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潤「ﾋﾞｸｯΣ!!・・・んんっ・・・」
ビクンと跳ねあがった潤の体が一気に硬直した。
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まずい・・・また昼間のことを連想させちゃったか。
そう思ったときにはもうすでに手遅れで・・・
再び潤は手足をバタバタしながら激しく泣き始めてしまった。
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智「ごめん、ごめん。
嫌なこと思い出しちゃったね。
お薬しないから。ね?」
潤「うわぁぁぁ!!・・あぁっ・・ﾊｧﾊｧ・・ｳｯ!!・・ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ」
翔「・・・過呼吸か!?」
智「じゅん〜、ゆ〜っくり呼吸するよ〜?」
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ペーパーバックより安心させてあげる方がいいだろう。
他の2人もそう判断したようで、
手を握ったり、頭を撫でたり、背中をさすったり・・・
とにかく潤の体に触れて、手のぬくもりを伝えていった。
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智「じゅん、僕の顔見て? こっち向いて〜?」
息苦しさにパニックになっている潤のうつろな目をとらえながら、
一緒に深呼吸して呼吸のリズムを作っていく。
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智「ゆっくり息を吸って・・はいて・・吸って・・はいて・・・
潤、ちゃんと見ててね? 僕のマネして?
そうそう、じょーず。」
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どうしても乱れ気味になる呼吸をどうにか整えてあげようと、
目からも耳からもリズムを与えていく。
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翔が背中をたたくリズムも、呼吸に合わせてある。
和も大げさに吸ったり吐いたりして、正常な呼吸に誘導してくれた。
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潤「ｽｰ・・・んっ・・・ﾊｰ・・・ﾊｧ・・・ﾊｧ・・」
智「よし・・もう大丈夫。」
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3人で奮闘した結果、すぐに発作を治めることができた。
よかったよ・・・苦しむ時間が短くてすんで・・・
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
