中耳炎 7 ページ18
和也Side
翔「頑張ったなぁ。えらかったぞ〜、A。」
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吸引が終わって汗だくになっているAの顔を翔にぃが拭ってあげているうちに、
俺は次の処置の準備を始めた。
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翔「かず、まだなにかすんの?」
和「あの・・・・・切開を・・ね。」
翔「あらら・・・・そりゃ大変だ。」
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すべてが終わったと思って安心した顔をしているAを見て、
俺らは顔を見合わせながら小さくため息をついた。
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これからまだ頑張らなきゃいけないなんて、
もう帰れると思っているAにとっては天国から地獄。
そんなAの気持ちを思うと、心が痛んだ。
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翔「A、気持ち悪いのよく頑張ったね。
あともう一つ。もうちょっとだけ頑張ったらおうち帰れるからなぁ。」
「ふぇ・・・・・・」
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翔「まだお耳痛いの治ってないだろ?
和にぃが今から痛いのバイバイしてくれるって。
よかったねぇ。」
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翔にぃがなんとかいい風に言ってくれてるみたいだけど、
まだ何かされるんだと気付いたAは当然イヤイヤと首を振った。
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和「お耳、すっごく痛かったでしょ?
何もしないでおうち帰ったら、
また痛いの我慢しなくちゃいけなくなっちゃうよ?
あんな痛いの、もう嫌だよね?」
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「やぁ〜・・ﾋｯｸ・・」
和「うん、そうでしょ?
そうならないように今からおにぃが頑張って痛いのバイバイするから。
Aもいい子にごろんしてて?」
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「ごろんしてたらっ・・・ﾋｯｸ・・・いたいの・・ﾋｯｸ・・なくなる?」
和「うん。ちょっとの間だけ動かないでじっとしたら、
す〜ぐ痛いのなくなっちゃうよ〜。
おにぃがいいよ〜って言うまで、お顔動かさないで頑張れる?」
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「・・・んっ・・・ｸﾞｽｯ・・・こ・・こわい・・ﾋｯｸ・・」
翔「だぁいじょうぶ。
和にぃも翔にぃもついてるんだぞぉ?
おにぃがずぅ〜っとおてて握っててあげるから。
怖いことない。な?」
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翔にぃの大きなてのひらが、Aの小さな頭を包み込んだ。
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見てる俺まで落ち着いてくる翔にぃの優しい横顔。
これならAも大丈夫だろうと思い、
俺は処置の準備を進めていった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
