中耳炎 6 ページ17
和也Side
和「お耳の中診ていくよ?
ちょ〜っと動かないでね〜?」
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翔にぃに抱かれたままイスに座っているA。
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頭とお腹にまわされた翔にぃの固定の手からどうにか逃れようと頑張ってるけど、
大人の力にかなうはずもなく、ただただジタバタともがき続けている。
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和「よしよし。
いいよ〜。お耳おしまいだよ。」
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思った通り、鼓膜がぱんぱんに腫れている。
こりゃ痛いわけだ。
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膿、出してあげた方がいいだろうな・・・
その前に鼻水も吸引してやらないと。
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あぁ・・・俺、Aに嫌われちゃいそう。
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和「A〜? ちょっとここにごろんするよ?
翔にぃ、固定よろしく。」
翔「はいはい・・・」
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翔にぃもこれからのことを想像してか、
苦笑いをしながらAの顔を両手ではさみこんだ。
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和「よ〜し、いくよ〜?
ちょっと気持ち悪いの我慢ね〜。」
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ｽﾞｽﾞｯ、ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ
勢いよく吸い出される鼻水。
それと同時に暴れだしたAを2人でどうにか押さえながら、
片方の吸引を終わらせた。
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あともう一回ね。
頑張って、A。
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「ﾋｯｸ・・んっ・・んっ・・・ごめっ・・なしゃい・・ﾋｯｸ・・」
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しゃくりあげながら“ごめんなさい”と言ってきたA。
涙ぼろぼろこぼして・・・・
目真っ赤にして・・・・
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それでこんなこと言われると、思わず手が止まってしまう。
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A、謝るようなこと何もしてないのに。
“ごめんなさいするから、もうやめてください”ってことなのかなぁ。
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翔「かず、長引かせるだけつらくなる。
早くやってあげな。
それが一番Aのためだよ。」
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翔にぃの険しい顔。
きっと翔にぃだってつらいんだ。
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俺は気合を入れなおすと、
“やだやだ”と首を振るAを押さえながら、
躊躇なく鼻にカテーテルを入れていった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
