中耳炎 3 ページ14
翔Side
「んっ・・・・ふぇ・・・うえ〜ん」
翔「ごめん、ごめん。
嫌だったなぁ。
ほら、寝てていいぞ〜、A。」
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喉を診ているうちに起きてしまったA。
急に口を閉じたせいで噛まれてしまった舌圧子をそっと引き抜き、
ほっぺたをポンポンとしていると、すぐにうとうとし始めた。
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そうとうしんどいってことだな・・・
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喉もけっこう腫れてきてるし、
あんまり熱上がらなければいいんだけど・・・
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しかし、そんな俺の期待も虚しく、
Aはその夜高熱をだしてしまった。
2日たっても、3日たっても熱は下がらない。
38℃前後を行ったり来たりしてるって感じ。
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「ｸﾞｽｯ・・・うぇ〜ん・・・ﾋｯｸ・・・やぁ〜ぁ〜」
翔「ん〜? どうしたぁ?」
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数分前にようやく寝かしつけたのに、
またすぐに起きてしまったA。
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ベッドから抱き上げて背中をトントンしてみるも、
泣き続けるだけでまったく効果はない。
それどころか、どんどん泣き声は大きくなっている。
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翔「A〜?
・・・・・・・痛いのか? どこか痛い?」
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叫ぶように泣くAが、“痛い”と言ったような気がした。
ただ機嫌が悪いだけなら、こんな声で泣くのはおかしい。
おそらくどこかに痛みがあるんだろう。
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翔「かず〜!! かずーー!!」
和「は〜い!!」
翔「ちょっとAの部屋来て!!」
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Aの部屋の前からリビングにいる和を呼ぶと、
すぐに階段を駆け上がる音が聞こえてきた。
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和「Aがどうかした!?」
少し息を切らしながら険しい顔で部屋に入ってきた和。
そんなに焦らなくても・・・
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でもこれだけ真剣になってくれる先生がそばにいてくれれば、
Aも安心だよな。
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翔「なんか痛いところがあるみたいなんだけどさ・・・
俺だけじゃどうしようもなかったから。」
和「そうだよね。
その様子じゃあね。」
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.
俺の腕の中でジタバタしながら大泣きしているAを見て、
和は“こりゃ大変だな”とでもいうように苦笑いをしながら、
溢れ出す涙を拭ってやっていた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
