おにぃが治すから *ARS* 10 (ページ42)

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胃潰瘍　3　(智) ページ42

和也Side

潤の声が聞こえて2階から降りてきてみると、

智にぃが顔を歪めながらお腹を押さえていた。

顔色も悪いし、あの智にぃが動けなくなるってことは、

きっとかなりの痛みなんだろう。

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和「とりあえず横になろう?」

智「ごめ・・・・・動けない・・・」

こりゃ重症かも・・・・

和「潤、車だして。

翔にぃの病院連れてこう。」

潤「わかった。」

智「ちょっ、和!!

大丈夫だって。大げさだよ・・・」

和「どこが大丈夫なの?

誰が見たってやばい状態なことくらいわかるよ・・・

肩かすから、一旦ソファーいける?」

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俺は智にぃをソファーに寝かせると、

押さえている手をどかしてお腹の触診をしていった。

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和「ちょっと痛いだろうけど我慢してね?」

そう一言いってからお腹の中心辺りを軽く押していく。

智「うっ・・・・っあぁ・・・・・」

和「ごめんね智にぃ・・・もうちょっと我慢。」

智「うっ・・うあぁっ!!

・・・かずぅ・・・も・・むり・・・」

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俺がみぞおち辺りを押した瞬間、

智にぃが俺の手をグッと掴んで限界を知らせてきた。

和「ごめんね、もう終わりにするから。」

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まずいな・・・痛がり方が普通じゃない・・・・

智にぃは滅多なことがないと顔には出さないのに、

今は苦痛に顔を歪ませて額には汗も滲んできている。

早く病院連れてかないと・・・

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俺は潤に手伝ってもらいながら智にぃを車に運ぶと、

潤の運転で翔にぃの大学病院へと向かった。

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病院に着くころには智にぃも痛みに耐えるのが限界になってきたようで、

お腹をグッと押さえたままうずくまってしまった。

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和「智にぃ!?

痛いよね・・・もうすぐ病院着くから。頑張って!!」

智「ん・・・だい・・じょうぶだよ・・・かず。」

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俺らに心配かけないようにしてくれているのか、

こんなときでさえ俺に微笑みかけてくる智にぃ。

そんな状態で大丈夫なわけないのに・・・

智にぃは痛いとか苦しいとか、絶対言わないからな・・・

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智にぃの浅い呼吸音だけが響く車中。

そんな智にぃに俺はただ背中を擦りつづけてやる事しかできなかった。