おにぃが治すから *ARS* 10 (ページ24)

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智にぃのお仕事　5 ページ24

智Side

智「泣かなくても大丈夫だよ?

一瞬で終わらせてあげるから。ね?」

優「・・・・・・・・・・はい・・・・・」

.

そういってそっと腕を差し出してくれた。

智「よし。じゃあちょっとそっち向いてようか。

大丈夫だからね。」

.

目をギュッとつぶって顔を背けた優奈ちゃんの頭をそっと撫でてやると、

すぐに注射器をもってスッと腕に刺していった。

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智「は～い、もう痛いところ終わったからね～。

もうちょっと動かないで頑張ってね～」

優「えっ!?・・・・・・・・・・」

.

優奈ちゃんが驚いた顔で僕を見てきた。

予告も無しに刺しちゃったからびっくりしたかな。

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智「よしっ、じゃあここしばらく押さえててね。

はい、これで終わり。よく頑張りました。」

優「・・・・・・・すごい・・・・」

智「えっ? 何が?」

優「・・・いや・・・・・・

注射・・・・・痛くなかったから・・・・」

智「そう? それならよかった。

優奈ちゃんがね、動かないで頑張ってくれたからだよ?」

優「・・・ふふっ・・・・・・先生って・・優しいんですね・・」

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優奈ちゃんがここにきて初めて笑ってくれた。

なんか嬉しいなぁ・・・

.

優「わたし、いつも先生が怖くて・・・泣いちゃって・・・

そうすると・・・看護師さんが・・・・」

.

そこまで言って言葉に詰まる優奈ちゃん。

.

智「そっか・・・優奈ちゃんは一生懸命頑張ろうとしてたのにね。」

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頑張ろうとしてたのに固定されてたってわけか・・・

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優「・・・・せんせ?

・・・・わたし・・・これからもここに来ていいですか?」

智「もちろん。

僕が責任もって優奈ちゃんを治すから。

何かあったらすぐにおいで?」

優「はい・・ありがとうございます。」

.

.

検査の結果、優奈ちゃんはしばらくここに通院することになった。

会うたびに笑顔は増えていって、僕にもだいぶ打ち解けてくれたみたい。

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僕が主治医になったからには、もう怖い思いはさせないから!!

これからもちょっとずつ、優奈ちゃんの心に近づいていければいいなぁ。