花粉症 3 ページ3
智Side
雅「ごめんね智にぃ。
急に予約入れてもらっちゃって。
ほらA、智にぃだよ? もう泣かないで?」
.
想像通り診察室に入ってきたAは大泣きだった。
内科は小児科と違って診察室にキャラクターの絵が貼ってあるわけじゃないし、
より“病院”って感じだからね。
.
一応Aが怖がりそうなものは隠しておいたんだけど、
ちゃんと診察させてくれるかな・・・
.
智「相変わらずだね〜
ほらA、おにぃんとこおいで?」
.
僕は雅紀からAを受け取ると、
背中をトントンして落ち着かせながら目の充血具合を診ていった。
.
智「雅紀、Aの目、ずっとこんな?」
雅「ん〜・・・さっきすごい擦っちゃってたからな〜。
それにずっと泣いてたからよけいかも。」
智「そっか。だいぶ赤くなってるもんな・・・
A、ちょっとだけもしもししようか。」
.
「うえ〜ん・・・やぁだぁ〜やらない〜」
雅「だいじょうぶだよ。
ほら、雅にぃのお膝座って?」
.
雅紀の膝の上にAをおろすと、そっと胸に聴診器を当てていった。
「んーー!! やぁーー!!」
智「はい、ごめんごめん。
あとちょっとね〜。
・・・・よ〜し、もしもし終わりっ。
じゃあ次、あ〜んだよ〜
A、お口あ〜んしてごらん?」
「あ〜んしないーー!! いやだっ」
智「だぁいじょうぶだよ〜
ぺったんしないからね〜
ちょ〜っとだけおにぃに診せて?
ほらA、あ〜ん。」
.
Aに見えないように右手でペンライトを隠し持ちながら、
左手でAの顔を包み込みながらそっと顎を引いていった。
.
「んっ・・・・・ふぇ・・・」
智「だいじょうぶ、だいじょうぶ。
よ〜しえらいな〜A。
もうちょっとだけおっきくあ〜んね〜
ん〜・・・・・はい、いいよ〜おしまい。」
.
う〜ん・・・風邪ひいてるわけじゃなさそうだし、
やっぱり花粉症かなぁ・・・・
僕が検査してもいいけど、ここはやっぱり専門家に任せた方がいいか・・・
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
