おにぃが治すから *ARS* 1 (ページ20)

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風邪　9　(雅紀) ページ20

智Side

ちょっと見えづらいけど・・・

舌圧子を使わなくてもいいように、なんとかのどをのぞきこむ。

智「う～ん……はい、いいよ。

だいぶ腫れてるね。痛いでしょ。」

雅「うん。つば飲むのもつらい。」

智「そっか…雅紀風邪引くといつものどにきちゃうもんね。

ちょっとしんどいけどあともうちょっとだけ診させてね。

胸の音聞くよ～」

聴診器を胸に付けた瞬間、ちょっとビクッとしたけど

翔が支えてくれてたおかげで案外すんなり終わった。

智「ごめんね。ちょっと冷たかったね。

呼吸音が多少気になるけど、大丈夫でしょ。

それじゃあ、熱も高いし、一応てｎ…」

雅「やだっ!!」

僕が点滴しようっていうことを予想したのか

かぶせ気味で拒否してきた雅紀。

そんなにいやかな…

智「まだ何も言ってないんだけどなぁ～

そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。

僕これでも注射うまいって評判なんだから。」

翔「そうだよ雅紀。

ちょっとチクッとするだけだからね。

点滴したら楽になるから。な?」

智「ほら、ベッドに横になって?」

雅「や・・・」

智「まさきぃ…」

こうなったらあれを使うしかありませんな。

智「雅紀、このままほっとくと肺炎になっちゃうかもしれないんだよ?

肺炎になったら入院だねぇ。

毎日注射もしなきゃだし、しんどいだろ～な～」

雅「!! そ…それはいやだ…」

智「そうだよね。いっぱい痛い思いするの嫌だよね。

今ちょっとチクッとするの頑張った方がいいんじゃないかなぁ?

どう? 頑張れる?」

雅「…ｺｸﾝ……」

智「よしっ。だいじょうぶ。すぐ終わっちゃうからね。」

ちょっと強引だったかな・・・

でも雅紀は入院大っ嫌いだから、これけっこう効くんだ。