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『運命の…ツガイ…』
深｢覚えてる？運命のツガイのこと｣
『もちろん覚えてます…っでも…』
運命のツガイは、出会って触れるだけでこの人だとわかるって岩本先輩が言ってた。
でも私は気づかなかった。
深｢俺はずっと知ってて、言わない方がいいと思って黙ってた｣
『……』
離れていた体はまたくっついて、私の耳元で少し辛そうに話す辰哉先輩の声で私も少し悲しくなった。
Ωだとわかってまだ日が浅かった私は先輩が運命のツガイだと気づかなかった。ただ一方的に自分だけが知っている、そんな状況でずっと葛藤していたんだって。
深｢ごめん、まだ俺頭ぼんやりしてるわ…｣
『大丈夫ですよ、先輩なら私は何をされても困りません…』
深｢はぁぁっ…｣
『余計に困らせましたか…？』
深｢うん。これでも噛みたい欲と大事にしたい欲とでごちゃ混ぜなの｣
『噛みたい？』
深｢俺のツガイにしたい｣
『……っ』
うなじを噛んだらツガイになる。
でもツガイは一生解消出来ない。どちらかが死なない限りは。
αが一方的に解消することは可能だけど、それはΩの社会的死を意味するようなもの。
Ωは一方的な解消でそれ以降誰ともツガイの関係を築けないことになる。つまりヒートが一生続く。
圧倒的にΩの立場が危うい。
『ツガイは…』
深｢うん、言いたいことはわかる。Ωにはいつもリスクが伴うし…｣
『……』
深｢運命のツガイって言っちゃったけどさ…、あんまり気にしないでいいから｣
『え…』
深｢Aのこと縛りたくないし…、な？｣
『……』
深｢でも今まで通りAの隣にいたいと思ってる。いい…？｣
『それはもちろん嬉しいです…！私も辰哉先輩の隣にいたいです』
素直にそう気持ちを伝えたら、先輩はさっきよりもしっかりした顔つきに戻っているように見えた。
でも同時に、辰哉先輩が“運命のツガイ”のことを流したような気がして、モヤモヤが残った。
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紅彩(プロフ) - わーぉさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！引き続き頑張って更新していただきます。お気遣いありがとうございます！ (2021年8月29日 14時) (
レス) id: 4196f501cf (このIDを非表示/違反報告)
わーぉ(プロフ) - 素敵な小説をありがとうございます！更新されるのを毎回楽しみにしていました。次のお話も気になり待ち遠しいです！無理なくよろしくお願いいたします！ (2021年8月29日 13時) (レス) id: 88cbea371f (このIDを非表示/違反報告)
しゃも(プロフ) - お返事ありがとうございます。応援してます。 (2021年8月29日 13時) (レス) id: 9144ae481b (このIDを非表示/違反報告)
紅彩(プロフ) - しゃもさん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいですし、次も頑張れます。引き続きよろしくお願いします！ (2021年8月29日 10時) (レス) id: 4196f501cf (このIDを非表示/違反報告)
しゃも(プロフ) - 楽しみすぎて更新が待ち遠しい程でした。次も楽しみにしてます！、 (2021年8月29日 10時) (レス) id: 9144ae481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅彩
| 作成日時：2021年8月9日 20時
