単純でポジティブ ページ6
午後イチの講義が始まったとき、大倉くんの姿はなかった。サボりかな？って思ったけど、講義が終わって教室を出る頃には、一番後ろの席にしれっと座ってたから、遅れてきたみたいだった。
「なぁ、前半の講義どんなやった？」
『聞いとかなくても問題ない内容だったよ〜。来ないから、サボりかと思った』
「俺、結構まじめやねん」
『ソウダネ』
教室を移動していると、大倉くんが隣に並んで話しかけてきた。
さっきの女の子だれ？って聞きたい気持ちもあるけど、現実を直視するのも怖くて尻込みしてしまう。
「その棒読み加減なんやねん！バカにしとるやろ！」
『ゴメンネ』
「お前ぇええええ！！！」
『アハハっ笑 ごめんごめん！ほんとに！』
わざとカタコトを使うと、大きい大倉くんが上からのしかかってきた。
つぶれそうになりながらもなんとか持ちこたえる。いい反応が返ってくるのが楽しくてついふざけちゃうんだけど、これ以上からかうと本気でつぶされちゃいそうだから素直に謝った。
「なあ、気にならんの？」
『大倉くん重たいから痩せたがいいと思う』
「あほ！俺の体重とちゃうわ！ヤスのことやん！」
体重のこと気にして聞いてきたのかと思った。ヤスくんの話題になるとは思ってなくて、その場でフリーズしてしまった。そっか、さっき大倉くんも一緒にいたから、私があの場にいたこと気づいてたのか。
『んー…気になるのと同じくらい聞くのが怖いって思ってる。』
「ヤスのこと信用してへんの？」
『ヤスくんのことは信用してるし大好きだけど、自分に自信が持てなくて、勝手に不安になっちゃうだけ！』
もうこの話おしまい！と上にいる大倉くんから何とか逃れる。
付き合うことになったときから今まで、ヤスくんから直接「好き」と言われたことがない。だから、普通のカップルだったらそこまで気にならないことにも敏感になるし、聞きたいことを聞く勇気も出ない。
今、ヤスくんの彼女は私だから。それは事実だから。たとえヤスくんが、悲しいことだけど、私のことが本当は好きじゃなくても、その事実を自分から手放すことはしたくない。
「ヤス、顔には出さんけど嫌がってたで」
「安心しや」
講義中、大倉くんが私のノートに書かいてきた文字を見ただけでネガティブな気持ちが吹っ飛ぶ。相当単純な性格だと自分でも思った。この後、ヤスくんがご飯食べるとき森進〇さんになる頻度について語り合った。
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蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！そして…完結おめでとうございます！コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです！ (2020年2月12日 21時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます！無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん！毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました！わたしも最後まで更新できてうれしいです…！！！引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです！今後の作品も楽しみにしています！ (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています！ (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆ | 作成日時：2019年8月4日 0時
