自信喪失 ページ5
私の存在に気づかないまま、楽しそうにしている御一行。見たくないなら見なければいいのに。そう思う心とは裏腹に、視線を外すことができなかった。
『なに話してるのかな…すごい楽しそうだよね』
「Aがいるってのにアイツ…もう、私がイライラしてきた。A、他んとこ行こう。」
私の手を引いて、七瀬ちゃんが席を立った。
その様子が視界の端に入っていたみたいで、タイミングがいいのか悪いのか、こちらの存在に気づいたヤスくんと目が合う。
女の子に腕を組まれてるからって、特に慌てる様子もなく、ただ目があっただけ。私のことを気にする素振りも見せず、ヤスくんはそのまま向こうの会話に戻っていった。
「はあ？アイツっー」
『七瀬ちゃん、行こう』
「A！アイツなんなの？今絶対目合ったじゃん！」
『いいから、あっち行こう！ね！』
このままここにいたら、心がポキンと折れそうな気がして。まだ傷が浅い内にここから離れたくて、今にもヤスくんのところに行って掴みかかりそうな七瀬ちゃんを半ば強引に引っ張って、逃げるようにその場から去った。
『はぁ…心がポキンなるところだった！あぶなかった！』
手を引く私も、手を引かれる七瀬ちゃんも、お互い無言で暫く歩き続けた。図書館前の、拓けてる広場みたいなところまで来て、足を止めた。
七瀬ちゃんは、呆れたようにも困ったようにも見えるけど、優しい表情で笑ってて、軽く背中を叩いてくれた。
「あんなののどこがいいのか、わたしには理解出来ないんだけど」
『えー！ヤスくんすっごい優しいんだよ？みんなのことよく見てるし、誰にでも優しくできるってすごくない？それに、それにっ』
「あー、はいはいわかったわかった。ヤスダの話はもう結構ですー。今度は、私の話聞いてよ」
『え！？なになに？聞く！』
そこからは時間を知らせるチャイムが鳴るまで、色白でイケメン、同じ専門に通う上級生という七瀬ちゃんの気になる人の話で盛り上がった。
ヤスくんのことが頭に浮かんだけど、考えると沼にハマって自信喪失間違いなしだから、無理矢理頭の片隅においやった。
「そういやA、今日シフト入ってる？」
『うん！今日バイト〜七瀬ちゃんは休みだったよね？』
「そうそう。じゃ、バイト頑張って〜」
『ありがと！また連絡する〜』
七瀬ちゃんと別れて、午後の講義がある校舎に向かった。
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蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！そして…完結おめでとうございます！コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです！ (2020年2月12日 21時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます！無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん！毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました！わたしも最後まで更新できてうれしいです…！！！引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです！今後の作品も楽しみにしています！ (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています！ (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆ | 作成日時：2019年8月4日 0時
