やんきーくんと元やんちゃん 3 【青】

あるあるな展開 ページ21

ヤス先輩と体育館で別れて、自分のクラスに合流。
開会式の後に、早速1試合目。コートでアップをしていると、隣から歓声が上がる。



「うわぁ…！」



ネットを挟んだ隣のバレーコートでは、ヤス先輩のクラスがアップ中。高くジャンプしてアタックするヤス先輩に、その都度上がる歓声。ジャンプしたときにチラッとみえるお腹。キラキラの笑顔でハイタッチ。Tシャツまくってお腹見えるの気にせずに汗を拭くヤス先輩。




「かっこいー…やばー…かっこいー…」



ヤス先輩に見惚れながら柔軟を続けていると、現実に引き戻すかの如く勢いのいいボールが目の前を通過した。



「っ！？！？あ、あぶっあぶな…！！！」



いかんいかん。よそ見ばっかりしてたらあるあるな展開になってしまう。顔面ディフェンス痛い。

配布された青いゼッケンを付けて気合を入れ直し、試合に臨んだ。





ーーーーーーー





相手の隙間を狙って、ゴールを決めていく。
自分にマークが集まればパスを外に集める。
フリーになればスリーポイントも狙っていく。


何点目かのゴールが決まったと同時に、試合終了の笛がなった。





「いえーーーい！勝ちーーー！」

大「いえーーーい！」




忠義くんがハイタッチを求めてきたから駆け寄ったのに、わたしがジャンプしても届かないところに手を構えられる。




「んもー！届かへん！」

大「アハハ！ごめーん！お疲れ様」

「ありがと！」




ジャンプするのを諦めたところでやっと忠義くんが手を下ろしてくれて、ハイタッチ。ついでに頭もわしゃわしゃされた。




「ヤス先輩の試合は？」

大「さっき丁度終わってもうたで〜ヤスんとこのストレート勝ち」

「あああ見たかった！！！」




試合が長引いてたら観れるかなーという淡い期待は儚く散った。くぅ…でも、次の試合は応援できるもんね！




大「Aちゃんっ！」

「っうわぁ！！！」



目の前を通過するボール。デジャヴ。

コートの隅っこを忠義くんの方を向いて歩いていたら、迫ってくるボールに気づかなかった。

ボールが目に入った忠義くんがとっさに腕を引いてくれて、当たらずに済んだ。




大「あっぶな！」

「ごめん忠義くん…ありがと！」

大「気つけなあかんよ〜」



腕を引かれたのと前に進もうとしていた反動で、背中から忠義くんに勢いよく倒れ込んでしまった。けど、ガッチリ肩をキャッチしてくれて転ぶのまで塞いでくれた。

ちゃんと周り見て歩こう。

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