《大型コラボ》十人十色のバレンタイン《歌い手》

＊ ページ39

Aside

大丈夫、大丈夫…。いつも通りに、いつも通りにだよ私。




今日はバレンタイン。好きな人に想いを伝える日。目の前には私の幼馴染で、私の初恋の人__志麻がいる。




今年のバレンタインは志麻に告白するんだ。返事がYESでも、NOだとしても。この5年の片思いに片をつけよう。




「あのさ____」




「私の本命、渡したい相手は目の前にいるんだよね。」



「…は？」



不思議そうな顔をする。当たり前だよね、だって本命チョコ作り手伝ってもらったんだし。サプライズ感も何もありゃしない。



「…ねぇ、志麻。ずっと、ずっとあなたのことが好きでした。私で良ければ付き合ってくれませんか？」



「…俺も、ずっとお前のことが好きだった。こちらこそ、俺でよければ付き合ってください。」



頬をかきながら照れ笑いするあなたがすごく綺麗で、愛おしくて。あぁ、この人を好きになれてよかった。志麻のことを好きでよかった。そんなどうでもいいことを考えてしまう。



「…でも、まぁ本命チョコはおととい二人で作ったやつなんだけどね。」



はにかみながらそう言うと、まぁなと志麻とクスリと笑う。



「来年も、本命一緒に作ってくれる？」






「あぁ、もちろん。」



今日はバレンタイン。好きな人に想いを伝える日。

すぐ隣には私の幼馴染で、私の初恋の人で、私の恋人_________



「絶対来年も一緒に作ってよね」

「はいはい」

「適当〜！」


_________志麻がいる。


fin

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