【黒死牟】この恋は心が保たない。弐

罪の告白＊肆 ページ7

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｢浅草へ行くと言っていたな…｣

｢はい。…と言うかあの、離してくださいますか｣

未だに、この男にがっちりと抑えられてしまっている。


｢…仕事を探すのか｣

｢はい。もうゆく所も御座いませんので。
ですがお金に困るので｣

｢…そうか。｣

すると、義勇はゆっくりとAを離した。

｢…すまない。つい。｣

(…つい…。)


義勇は顔色を変え、すんとまた虚無に戻るとまた口を開く。


｢ならば、俺のところに来ないか？｣


｢え？｣


待って、この男は今なんと？
落ち着いたと思ったら、とんでもない発言飛び出しましたけど？

｢…すまない。さっきも言ったが俺は貴方が好きだ。漸く会えたのに、おめおめ別れられない｣

(言い分は！分からなくもないけれど！
…この人変だよねぇ？おかしいよね！？)


｢あの、嬉しいお言葉なんですけど、それはお断りします。｣

｢何故だ｣

｢…な、何故って…。無理です！
貴方が嫌いとかじゃありませんけど、
私には……！！｣

…黒死牟さんがいるから………

…って、まって、

それじゃあケジメになってない…！？
私はどうしたらいいの？

どうしたいの？

罪悪感に耐えかねてあの屋敷を出た。
その罪悪感は、黒死牟さんを愛していたからだ。
あのまま、彼処にいるわけにはいかなかったのだ。

…好きでいたい。この気持ちを持ったまま、私は生きる。

それこそ矛盾さえある…変な話だ。








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