罪の告白*壱 ページ4
*
風呂を済ませ部屋に戻ると、鬼狩り様は既に上がられていて、部屋で刀の手入れをされていた。
すると直ぐに、この屋敷のお婆さんがやって来た。
「…2人前、この部屋に運んでくれ」
鬼狩り様がそう言う。
私と一緒に食べるつもりのようだ。
「承知致しました。」
そしてお婆さんはそろそろと出て行った。
「ご婦人、座って下さい」
鬼狩り様は、鋭い眼差しでそう言う。
私はどきりとして正座をした。
「俺の名は冨岡義勇。先程も言った通り、鬼殺隊の者だ。
鬼殺隊はご存知だな」
「…はい。」
冨岡義勇、そう名乗った男は喋り慣れていないようで、話しにくそうに口を動かしていた。
「…不躾を承知で聞くが、貴方は鬼と関わりがあるな」
「…え、なぜ…」
Aは心臓が掴まれたように呼吸が苦しくなった。
あの深淵のような瞳に、全て見透かされてるような気さえした。
「貴方からは、微かに鬼の気配がする。
何か知っていれば話して欲しい」
「……。」
「…何故一人で山に居た?
何処へ向かう途中だった」
…まさか、いちいち質問して問いただす気なのか。
「…浅草へ向かおうとしていたのです。
ですが此処からは遠いので、馬車を出す方がいらっしゃらないかと、近くの街へ向かっていました。」
「…そうか。では、何処から来たのだ」
「…
阿郡村。それは、Aの出身村だ。
嘘は、まぁ…ついていない。
「阿郡村だと…。
そんな遠方からか。
……いや、待て…阿郡村から浅草へなら、何故こんな所に居る。遠回りになっているが」
「…!」
そうだったのか…!Aは知らなかった。
村から黒死牟への屋敷の道のりは、当時目が見えていなかったから、知りもしなかった。
(…迂闊だった…)
つまり、黒死牟さんの屋敷は、阿郡村から浅草までの間にあるのではなく、その真逆なのだ。
「俺は怒っていない。…ただ鬼の存在を黙認するわけにもいかない。」
どうしよう。
*
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renkon(プロフ) - 林檎さん» ヒィぃ嬉しい...最後ちょっと雑だったけど伝わって良かった...ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 桃さん» あざす!!!!!!!感想ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 超 感 動 !! 黒死牟大好きなので最高でした! (2020年1月31日 0時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 黒死牟推しです。とにかくキュンキュンしました!大好きな黒死牟にお姫様抱っこされたり、キスされたり…もう、最高!! (2020年1月15日 22時) (レス) id: 7ebd909b21 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 無気力人間Aさん» ほんとですか!?やったー!お相手が鬼ならばBADにするしかあるまい!!と考える人間なのでそう言って頂けて嬉しいです。 (2020年1月14日 23時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:renkon | 作成日時:2019年11月18日 22時