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｢彼等──
｢それは法律で決まってるからじゃないですか｣
そんな在りきたりなものは正義とは言えない。そう言われてしまい苦笑いを零す。
｢法律でなくても私は、何の武力もない人達への暴力はいけないと思う。体の傷は何れ無くなってしまうけれど、心はそうじゃないのだから｣
｢お互いが暴力で解決しなければいけないから、心苦しい所ではあるんだけれど｣
｢それに、正義の基準は誰しもが違うからね｣
少女は興味がなさそうに、前へ向き直ってしまった。それを横目で見ながらも続けた。
｢ヒーローにも色々居て、相手を傷付けないよう動く人もいるし、しかし個性上厳しい人もいるから難しいのだよ｣
｢…知りませんよ、ヒーローの苦労なんて｣
｢うん、確かにそうだ｣
オレンジジュースを飲み干した少女は、ストローを噛んだままに紙パックを潰した。しっかりしているなぁと感心しながら見届ける。
｢ヒーロー嫌いは、駄目ですかね｣
ボソリと零された言葉。
そこには色んな意味が含まれている事を私は察する。けれど、具体的な言葉を返すには至らず──組んでいる手に視線を落とす。
｢…喧嘩した友人が…ヒーローになりたいって。私に話してくれたんです。私になら話せるって｣
少女の視線は浮遊する。
｢でも私は…私の話をしませんでした。全部を話してくれた彼には何も。ヒーローが嫌なのも、自分の個性も｣
何となく出てきている言葉なのだろう。ぼんやりと口が動いている。
｢…馬鹿にする為に雄英に来たんだろって…言われちゃいました｣
囁く様に吐き出された言葉は、酷く冷たく悲しさを含んでいて。徐々に少女の顔は青ざめていく──食堂で見た時と同じだ。
｢私そんなつもりはないって返したんです…でも、そう思い込んでるだけだろって｣
ぎゅっと紙パックが握り潰される。
｢自分の事が、わからないです。その為にしていたのかもとか色々が、混ざって｣
──キーンコーンカーンコーン…
遮るようにチャイムが鳴り響いた。授業前のものだから、学生である彼女は早急に教室へ戻らねばならない。
｢ここ迄にしよう｣
｢…聞いてくださってありがとうございます｣
此方を見ること無く立ち去って行った。
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八百(プロフ) - すごく好きです！！続きめっちゃ気になります！！仲直りしてほしいけどもうそのまま行って欲しいって思ってしまう矛盾… (2019年3月21日 21時) (
レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです！これからも応援してます(*´∀｀) (2019年3月6日 16時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - めずさん» つい笑ってしまいました、コメントありがとうございます！頑張ります (2018年11月23日 17時) (レス) id: 2c4514670e (このIDを非表示/違反報告)
めず - なんでお星様1回しか押せないの！！！って感じに好きです生き甲斐をありがとうございまｧｧｧ！！！！本当はお星様50回くらい押してるので評価の回数に+50しておいて下さい(応援してます頑張って下さい) (2018年11月23日 2時) (レス) id: 73450a1efe (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 谷崎さん» コメントありがとうございます！声をかけて下さっただけでとてもありがたいです…！ (2018年11月20日 0時) (レス) id: 2c4514670e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年10月3日 3時
