4. ページ5
｢ちょっと本屋行ってくる｣
学校から帰ってすぐに両親へそう言うと、｢気をつけてね｣とお決まりの台詞を頂いて家を出た。勿論制服は帰宅時に脱いだし、私服である。
30分ばかり、時間を掛けて道を歩きお店のある道へ出た。後で彼処も寄ろうかなぁと考えつつ、本屋までもう少しあるので真っ直ぐの道を歩いていれば──隣に誰かが並ぶ。
｢…｣
｢…随分と早い再会ですね｣
｢あぁ、見かけたからな｣
一切そっちを見ずにさっさと歩いていくが、彼の方が足は長いのでいとも容易く追い付かれてしまうのが、妙に腹が立つ。
｢何処に行く？｣
｢普通に本屋ですけど｣
｢普通…普通ねぇ…｣
変に含みを持たせた返答だった。
疑問に思いつつも、無視して本屋の中へ入る。当たり前だと言うくらいに平然と死柄木弔は付いて来るのだけれど──この人は暇なのだろうか？というかそれしかないよね、私間違ってないと思う。
お目当ての物を探して店の奥へと進み、手に取る。表紙を見た後裏表紙を見てしまうのだけれど、買ったあとに読むのだから無駄な行動だと思うのに止められないのは一体何故なのだろうか。
さて、見つけたからレジに行こうかなぁと思った所で
｢ねぇ、貴方は何か買うの──…｣
ハッとして、振り向けば
｢…ちょっと｣
────私でも分かる。
｢ちょっとってば！｣
これは、殺気だ。
｢あ？｣
一点を見つめていた死柄木弔の服を掴み、こっちを向かせた。私を視界に入れた彼からは、凄まじい程の殺気は無くなっていたけれど、私の心臓はばくばくと跳ね上がっている。
とても、とても怖かったのだ。心の底からそれを憎み、殺してやると──聞こえてくるようだった。ゾッと、してしまった。
｢…勝手についてきて、問題起こすとかやめて｣
結構来るんだからと言う。
これでも平静を保つのは至難の業だ。もしかしたら、私の声は上擦っていたか──震えていたかもしれない。
｢…起こさない｣
掴んでいた私の手を振りほどいて、歩いていく。未だに鳴り響く心臓を抱えながら──一体何を見ていたんだと──死柄木弔が見ていた物へ視線を向けた。
｢…お、オール…マイト…？｣
オールマイトが、表紙の雑誌だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
